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今回のテーマは「変化しない社員をどうするのか」です。中途入社した社員が、以前の職場の慣習を引きずっていて今の職場になかなか馴染めていない、という相談を受けることがあります。新卒社員の場合は、比較的スムーズに会社の文化を吸収できますが、年を重ねると自分の考えに固執してしまい、なかなか変化できない人が多いようです。
今回は、変化しない社員に対して経営者はどうすればいいか、について解説していきます。
まず前提として、人を変えることは誰にもできません。人が変化するには、本人の覚悟と強い決意が必要だからです。
そのため、変わる覚悟がない人を変えようと一生懸命がんばっても、あなたのエネルギーを消耗するだけで終わってしまいます。
ただし、会社としては、一緒に仕事をするうえで変わってもらわないと困る場合もあるでしょう。ここで経営者ができることは社員が変われる環境づくりをすること」です。
つまり、経営者は、社員を水飲み場までは連れていけるけれど実際飲むかどうかは本人次第、この割り切った考え方ができるかどうかが鍵なのです。
例えば、ブレインマークスの場合、中途入社したら初めの1ヵ月間は、会社の文化を徹底的に理解してもらいます。そして2ヶ月目以降は、たとえ前職でバリバリ活躍していた人でも、電話応対や商品発送作業、伝票記入などをします。なぜなら基本的な作業をイチから経験してもらうことで、会社の本質を理解してほしいからです。
いわゆる「末端作業」と呼ばれるような仕事でも、実際に経験することで会社全体の業務内容を把握できます。また、そのような仕事がどれほど大変かを体験すれば、社員同士思いやりの気持ちも生まれますし、お互いの関係性もきっと良くなるでしょう。
私はこのような環境を用意することで、中途社員がブレインマークスで新たに変化していけるのかを見極めています。もし、ここで自分は前職でのキャリアがあるからといって単純な作業を嫌がるようであれば、この人は変わる気がないのだな、と割り切って捉えてください。
あなたが良かれと思って提供した環境が、社員に受け入れられないようであれば、無理に変化させようとしても意味がありません。思い切って諦めたほうがよいでしょう。
ただし、変化を拒む人材に対しても、変わった方が良いことを説明する時間は、ある程度必要です。なぜなら、できることや得意なことばかりやっていても、見ている世界は広がらないからです。
人は変化することで視座が上がり、一つ上のステージに進めます。上司として、変化の重要性を伝えることは大切です。
変化を拒む人がいる一方で、変化を望んでいるものの正しい変化の仕方がわからず困っている人もいます。そのような人達のために、経営者は変わるための環境を与え続けることが必要です。
心を込めて変化しやすい環境を提供し続けると、必ず会社の文化に合う人材が育ってくるはずですよ。