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今回のテーマは「中小企業は「欠点改善型」か「強み強化型」。どちらの教育をすべきか」についてです。実際に弊社のクライアントも、教育についてのご相談を多く頂いています。社員に対して、優しすぎてしまったり、逆に厳しくしすぎてしまったりした経験はないでしょうか。
どちらも大切なことなので、どちらかが正解ということはありません。そこを踏まえ、教育のバランス、どのような教育を行えば会社全体がレベルアップしていくのかについてお伝えしていきます。
まず、欠点改善型というのは、社員に対して直して欲しいところを指摘し、改善していく教育方法です。会社組織の場合は、終身雇用があります。特に、大企業の終身雇用が大前提だったため、欠点を直されることに苦しみながらも、反骨精神を持ち、一人前になっていきます。
昔の教育の王道は、ほとんどが欠点改善型でした。欠点改善型は、昔から私たちが当たり前に受けていた教育だったのではないでしょうか。弊社も以前は、欠点改善型で社員教育をしてきました。
しかし、できていないことを指摘するたびに、社員との関係はギスギスしていき、嫌な顔をする社員も増えていきました。そこから、弊社は、強み強化型の社員教育にやり方を変えたのです。強み強化型は、できていないということを見るよりは、できている部分や社員の強みである部分を伸ばしてあげることによって、欠点の部分がだんだんできるようになってくる教育方法です。
マネジメントなどもあわせて考えた際、強み強化型の方が中小企業には向いていると思っています。何故なら、できていないところだけを指摘し続けることは、上司のことを恨むだけになってしまう可能性が高いからです。こんなことで恥かせられない、会社のレベルを下げてはいけない、お客様に迷惑かけてはいけないなど、色々な理由を付けて話している人も多いでしょう。
しかし、社員の立場からすると、出来ていないことを言われて嬉しいはずがないのです。上司からしても、注意はなるべくしたくありません。また、欠点を指摘することばかりをしていると、社員は失敗したことから学ぶことがあるにも関わらず、何よりも上司のことが気になり失敗したらどうしようという気持ちになってしまいます。やはり、欠点を改善するという考え方は、どこか人間を萎縮させてしまうのが現実です。
弊社は、今から7、8年くらい前に欠点改善型ではなく、いいところ褒めて伸ばしたりしながら教育していこうと決めました。強み強化型だからといって良いところばかりを伸ばしていると、悪いところは直さないような社員も出てきます。
しかし、その中でできていないことを指摘しないというのは間違っています。その場合、注意する仕方を変えるようにしてみると良いのです。例えば、できていないところを頭ごなしに注意するのではなく、もっと出来るはずだ、というように言ってみて下さい。
できるはずだと言われた方が、社員の立場からすると少し褒められているような気がするわけです。つまり、社員の強みの部分にフォーカスし、その上で今回は何で何故できなかったのかという指摘をする。そうすると、どちらかと言えば、できなかったことよりも社員の強みの方にフォーカスされます。
社員は、自分の強みに気付くことができ、強みをさらに伸ばしていくキッカケになります。
このように、強み強化型だからといって、注意してしてはいけないのではなく、強みにフォーカスして社員のできなかったことを指摘してあげることが非常に重要になってくるのです。そうすることで、これからの教育の部分は、欠点改善型と強み強化型という二軸ではなく、一本化していくのではないかと思います。
特に、現代はゆとり世代も含め、若い人たちが上から強く怒られる経験をして育ってきていません。そのため、自分が活躍出来ている、自分が人の役に立っているというしっかりとした自己肯定感をベースにして、人材を教育していく強み強化型がこれからの中小企業には向いています。自分なりの理屈をしっかりと守って、貫くことが教育をしていくことが大切です。