YouTube
今回のテーマは「10年間、理念経営をやってみた」についてです。
実際に、理念経営を教えているコンサルティング会社もあります。ですが、実は、教えているそのコンサルティング会社自体が、理念経営を行なっていないこともあるのも事実。
また、私自身も正直、理念経営とは何だろうと悩みながら会社経営している時期がありました。このように、理念経営を聞いたことはあるけどできていないという経営者の方も多いのではないでしょうか。
今回は、理念経営の利点について、経営理念とは何か悩みながら取り組んだ私の体験談を中心に、お伝えしていきたいと思います。
■理念経営の本当の答え
理念経営についてわからなかった私は、創業8年目に、会社がうまくいかなくなり、社員の集団離職が起こりました。そこから、もう一度経営について学び続け、10年間、理念経営に取り組んできました。
まず、理念経営が理解できなかった理由として、前職のITベンチャーで理念経営をしていているはずなのに、理念が全く浸透しなかったこと、自利利他という理念を掲げていたにも関わらず、理念にそぐわない営業をしていたことが挙げられます。理念が綺麗事であると思う出来事が非常に多かったのです。
そんな中、理念経営に対しての考え方が変わったきっかけがありました。アメリカに行き、仕組み経営のつくり方を、私が支持しているマイケル・E・ガーバーさんから学んだ時のことです。
その際、仕組み経営の作り方を学びに行ったのですが、最初に教えられたことが、Dream、Purpose(=夢、目的)の2つでした。そして、会社は、夢、目的、ビジョンの3つを掲げるように教えられました。
つまり、会社には夢がなければならない、人は夢のある場所に集まる、だからこそ経営者は会社が何を成し遂げるのかという夢を掲げ、更には、何を目的とするのか掲げるべきだということ。
悩んでいた私は、確かに夢がない場所には人が集まらない、その夢を実現するためにはどんな目的があるかを掲げ、実現するためにはいつまでにどんな会社になるのか、というビジョンを掲げるべきだと腑に落ちたのです。
そして、経営者として、どんな社員と仕事をしていきたいのかという、コア・バリュー。
アメリカで学んでからは、経営理念、働く目的、ビジョン、コア・バリューの4つを徹底的に社内で浸透させることこそが理念経営であると気付きました。
■理念経営を行うために考えるワンパッケージとは
弊社の理念は、ビジネスで人を幸せにする社会を作ることです。
・争い合うのではなく、お客様を支援し、お客様が良い会社になって幸せになる
・お客様が良い会社になることで、働いている社員の皆さんが幸せになる
・ブレインマークスがいい会社になり、働いている社員が幸せになる
・ブレインマークスが取引先と良い関係を作り、取引先が幸せになる
このように、弊社がやっている小さなことの積み重ねが少しずつ広がっていけば、いい会社がたくさん増えて、幸せな人が増えていくと考えています。ビジネスを通して幸せな人が増えていく世界をずっと追求し続けよう、というのが弊社の夢です。
この夢を実現するために、社員一人ひとりがどんな目的を持っているか、が中小企業の未来と中小企業経営者の人生を変革に繋がると考えています。
社員一人ひとりが、夢を実現するためのサービス、電話対応、商品開発をすることによって、理念の実現化に近づいていきます。
理念を実現して目的を果たしていくために、5年後、10年後にこんな会社になりたい、と考えていくのが経営ビジョンです。また、ビジョンを実現するためには、こういう社員を集めて取り組むのかを考える。
この、経営理念、働く目的、ビジョン、コア・バリューというワンパッケージがなければ、理念が実現する道筋は見えません。
ですから、理念を掲げ、その理念を実現する道筋を描くまでがワンパッケージだと社員と徹底的に共有し、経営の至るところ、細部にまで宿らせて徹底的にこだわって経営していく。
これこそ、私自身が10年間理念と向き合って考えた「理念経営」なのです。
■3つのフェーズで考える
理念経営を実現するために、次の3つのフェーズに分けて考えています。
・第1フェーズは、経営理念をつくり上げること
・第2フェーズは、社内に徹底的に浸透させること
・第3フェーズは、浸透したこと社員の一人ひとりの行動にまで紐付いていくこと
弊社は、第3フェーズをクリア出来るまでに5年以上はかかりました。
まず、第1、第2フェーズまでに、経営理念、働く目的、ビジョン、コア・バリューのワンパッケージを作り、社員と徹底的に共有して、経営の細部にまで染み込ませていきます。
そうすると、企業理念、ビジョン、目的、コア・バリューに沿った行動を取り始める社員が出てきます。
このように、理念経営は長い時間をかけて、覚悟をもって理念経営をやるからこそ、会社にとっての大きな成長が必ずあります。
私自身も今まで、成功するために短期スパンでの業績ばかり考えて経営していました。例えるならば、まさに成功するまで息を止めて走るような会社の経営。
しかし、理念経営を3つのフェーズで考えて経営していくようになってからは、大きな夢を掲げ、その夢に近づくために計画を練り、その計画に一歩一歩近づいていく喜びを知ることができました。また、理念やビジョンを実現していくための一歩近づいていくプロセスを楽しめるようになったのです。
プロセスが楽しむことが出来、近づいて行くプロセスを社員と共有しながら喜びあえるのは、経営者としてものすごく幸せなことです。
理念経営を3つのフェーズに分けて考え、自社はどのフェーズにいるのかということを理解するところから始めてみましょう。
■今日の結論
理念経営は、経営者自身が幸せになるのだということを理解することで、じっくりと腰を据えて取り組んでいただく価値や意味を見出すことが出来ると考えています。
理念経営に取り組んでみたいと考えていたり、過去に取り組んでみたけど上手くいかなかった経験があるという経営者は、ぜひ、経営理念、働く目的、ビジョン、コア・バリューというワンパッケージを考え、3つのフェーズで理念経営に取り組んでみてください。