中小企業の社長が知っておくべき人事評価制度の経営での活用法 | 中小企業の経営コンサルティングならブレインマークス
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2021.03.05

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中小企業の社長が知っておくべき人事評価制度の経営での活用法

株式会社ブレインマークス


今回のテーマは「中小企業の社長が知っておくべき人事評価制度の活用法」についてです。

最近経営者からよく聞くのが、「人事評価制度をつくったが使いこなせていない」という声です。

人事評価制度をつくった結果、駄目だったというのは、ある意味会社の経営の失敗にもつながりかねません。人事評価制度を運用するということは、単に社員の向上心を上げるだけではなく、会社の経営にも大きな影響を与えます。

・人事評価制度をつくるだけになっている
・人事評価制度に対する納得感がない
・単なる評価ツールになっている

人事評価制度の運用に失敗している典型的なパターンとして、この3つが上げられます。

今回は、この3つの失敗パターンに関して、どのように対処していくべきかをお話しします。

■運用することに意識を向ける

社労士さんや、人事コンサルタントに頼んだ人事評価制度が、難しくて運用できなかったという相談がよくあります。

弊社も、実際に2つの会社に人事評価制度をつくってもらった経験があります。しかし、結局、つくっただけになってしまい、うまく活用できずに終わりました。

実は、うまく活用できない理由が1つあります。中小企業の場合、経営者自身が人事評価制度の運用をしているケースがほとんどだからです。

大企業の人事評価は、基本的に人事部で運用します。つまり、うまく運用するための制度設計を会社や社員の状態に合わせて、こまめに微調整できる担当者がいるんです。

しかし、中小企業の場合、経営者が運用しているケースが多く、細かな精度設計の変更を従業員に合わせてやっている暇がありません。

また、中小企業の場合、今年やっている業務と来年やっている業務が全然違うといったことも多く、評価基準が曖昧になりがちです。経営者が使いこなせないまま、社員に人事評価制度の運用を任せてしまうと半分使えないなんてことがほとんど。

そのため、精度設計が完璧な人事評価制度を利用するほど、大企業のような微調整ができず、使えないという状態が生まれます。

稀に、社労士さんが少し学んだ程度でつくってしまった人事評価制度もあります。経営のための運用イメージが湧いてない人事評価制度を運用するのは非常に危険です。

運用することをイメージできていないまま導入してしまうと、人事評価制度を使いこなせなくなる大きな要因の1つになってしまいます。

■社員が納得できる人事評価制度とは

人事評価制度に対する納得感がないというのは、社長の納得感がないパターンと従業員の納得感がないパターンの2つがあります。

まず、社長の納得感がないパターンにありがちなことは、社長自身が人事制度を経営に活かせることをわかっていないということです。その場合、人事評価制度を社労士さんや人事コンサル会社におまかせでつくってもらうことが多く見られます。

人事評価制度というものは、社長がどんな社員を評価するのか、その場合は給与がどれくらいになるのかというように、社員から目に見える会社の指標にもなります。

つまり、“人事評価制度=最も強い経営者の意思表示”と言えます。

そして、これほど強固な社長としての意思表示はありません。ですから、経営者に納得感がないままの人事評価制度はうまく使えるわけがないのです。

外部の専門家につくってもらった人事評価制度を何もわからずに、そのまま使っていても社長に納得感は生まれません。

次に、人事評価制度に対して、社員の納得感がない場合です。まず、社員の立場になって考えてみてください。何をどう頑張れば出世できるのか、そうすれば給与が上がるのかということが見えるものが人事評価制度であるべきと考えているはずです。

本来は、会社が理想とする人材になるにはどうすれば良いのか、ゲームの攻略本のように読んで、正々堂々と攻略してもらうものであるべき。

しかし、実際にいろんな人事評価制度の運用マニュアルを拝見してみると、本当に理解しづらいものが多いのです。社員の納得感を得るためには、社長が人事評価制度に対する納得感が生まれるように社員に対して、説明しなければいけません。

まずは、複雑な理解しづらい人事評価制度ではなく、シンプルでわかりやすい人事評価制度をつくるところから始めてみてください。社員の皆さんが攻略する楽しみを得ることができる状況をつくることで、社員が目標を立てやすくなり、人事評価制度に対して社員の納得感を得ることができます。

人事評価制度の運用が曖昧になってしまうことは、社員が仕事をしていく上で目標とする部分が見えづらく社員が頑張れなくなる上に、仕事に対する面白みがなくなることにつながりかねません。

人事評価制度が単なる評価ツールになってはいませんか。

実は、人事評価制度を“評価だけ”に使った瞬間に人事制度の運用は破綻するんです。
人事評価制度というのは、評価基準であることはもちろん、社員を成長させるためのツールなんだというふうに考えていくことが非常に大切です。
そうでなければ、社員側が人事評価制度の運用に積極的にはなるはずがないのです。

例えば、会社が社員のキャリアアップを応援してくれるとなれば、社員自身も人事評価制度の運用に積極的になりますよね。中小企業こそ、自分の頑張りを応援してくれる会社であるべきだと考えています。社員一人ひとりをしっかりと評価する気持ちが非常に大切です。
自分の頑張りを応援してくれる会社なのか、頑張ってもできていないところを見つけてそこしか評価しない会社だと社員のモチベーションは全然違ってきます。

・できてないところだけを指摘する上司のように会社自体がなってはいけない
・人事評価制度=社員の成長ツールとして使う

この2点を意識することで、社員全員が人事評価制度の運用に積極的になっていきます。

■まとめ

中小企業にとっての人事評価制度の運用というのは仕事が増えるため、消極的になってしまいがちです。しかし、人事評価制度を正しく運用していくことが、社員の積極性につながり、会社そのものを大きくすることにつながります。

・導入することではなく運用することに意識を向ける
・制度に対する納得感は経営者側の納得感、従業員が納得感をしっかりとつくり上げる
・評価ツールとしてではなく、人材育成ツールとしての位置づける

このポイントをカバーすれば、人事評価制度をつくり変える必要はありません。

ただ、あまりにも細かい業務のチェックリストになっている場合は、今一度つくり変えることで人事評価制度が非常に価値のあるものになると思います。是非とも、人事評価制度を経営に活用するという視点を持っていただきたいです。

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