コンサルティング
社会全体でDX推進の流れが加速する中、中小企業の業務改革を支援する動きも盛んになってきています。
中小企業にも数多く導入されているチャットツール「Chatwork」では、新たに顧客企業の経理・総務など、バックオフィス業務を代行するサービスが始まりました。
オペレーターによる人力でのサポートに加えて、中小企業が抱える定型業務を集約し、自動化することでスケールメリットを生み出す試みも始まっているそうです。
中小企業においては社長自らが請求書データを入力するなどの定型業務に追われていることも珍しくありません。こうした業務を手放していかなければ、社長が本来の経営ミッションに集中することは難しいかもしれません。
ただ、業務を外部へ委託するアウトソーシング系のサービスは以前から多数存在するにも関わらず、中小企業での導入はまだまだ進んでいない現状もあります。
なぜ中小企業の社長は定型業務を手放しづらいのでしょうか。
まずは私たちの取り組みについてお話できればと思います。
ブレインマークスでは創業後の早い段階から、給与計算や社会保険関連の業務は社会保険労務士さんに丸ごとお任せしてきました。
経理・会計については会計事務所に依頼することに加え、週1回出社の派遣スタッフさんに定型の経理業務をお願いしています。このスタッフさんとのお付き合いは、もう10年になるでしょうか。
外部に委託できる作業は、できる限り外部に出したい。専門性が高い業務は、その専門性をもつ人にお任せしたほうがいい。
それが私の基本方針です。
経営者である私が「外部に委託できる作業」と判断する基準は、「私自身が取り組む意味がないもの」。
たとえば経理業務で言えば、私自身が細かな作業を覚えたところで何の意味もないと考えています。もちろん過去の会計データを振り返り、数字を読む知識は必要ですが、データを合わせる作業に私の頭と時間を割かれるのが嫌なのです。
私自身の頭のCPUは、顧客の業績を伸ばしたり組織を良くしたりすることに使う。その原則があるので、外部に出す業務の選別に迷うことはありません。
これはどんな企業の経営者にも共通することだと思います。細かな事務作業は、経営者の本来の業務ではありませんよね。
しかし中小企業では、いまだに「社長と奥さんで定型の経理作業をやり続けている」というケースも散見されます。
なぜ社長は定型業務を抱え込んだままになってしまうのでしょうか。次回のブログでは、その心理に迫ってみたいと思います。
(安東邦彦/第2回に続きます)