コンサルティング
前回のブログでは、残業時間を大幅に削減したブレインマークスの取り組みについて紹介しました。
従業員のセルフマネジメント力を高めるために、毎月の「やるべき仕事」や「突発的に入ってくるかもしれない仕事」を洗い出し、タスクを計画。
このシンプルな習慣を身につけることで、短時間に業務をこなせるようになり、生産性が向上したのです。
同時に、この良い習慣をチーム全体で持てるようにするため、年々受け継ぎながら、進化と定着を繰り返してきました。
ブレインマークスは10年以上にわたり、新卒採用を軸にして組織づくりを進めています。先輩から受け継いだ良い習慣は、着実に新卒メンバーの武器となり、チーム力を向上させてくれました。
企業の生産性向上は短期間で成し遂げられるものではありません。だからこそ、できる限り早い段階で第一歩を踏み出す必要があります。
全3回の最終となるこのブログでは、高い生産性を維持し続ける組織の特徴について見ていきましょう。何かしらのヒントが得られるはずです。
高校野球を例にとって考えると、生産性の高い組織と、そうでない組織の違いが分かりやすいかもしれません。
どんな地域にも、毎年のように甲子園の本大会へ進む強豪校と、地方予選の緒戦で散ってしまう弱小校があります。両者の大きな違いは「頑張る」のレベルが格段に違うことでしょう。
常勝軍団は日頃の練習においても生活の所作においても、当たり前の水準が非常に高いのです(一方で強豪校が不祥事を起こすと大きなニュースになってしまいます)。
これは企業に当てはめても同じことが言えます。
生産性が高いとされている企業は、そうでない企業と比べて当たり前の水準が段違いです。
時間に対する意識、効率アップに対する意識、従業員のセルフマネジメントに対する意識……。こうした高レベルの当たり前を築くには数年単位の努力が必要でしょう。
だからこそ、生産性向上を目指す風土が根づき、受け継がれていくのだとも言えます。
私がコンサルタントとして見てきた中小企業の中で、本当に生産性が高いと感じる企業にはもう一つの特徴がありました。
それは「一人ひとりの従業員に得意な仕事を任せている」ことです。
考えてみれば当然ですよね。人は誰しも、得意領域には大いに力を発揮する一方で、苦手領域ではなかなか活躍できません。
生産性の高い企業は、従業員とのコミュニケーションを充実させて一人ひとりの「得意」を見抜き、それに基づいた任命を行なっているのです。
中小企業にとって、生産性向上は喫緊の課題であり、生き残りを左右する要素となりました。だからこそ焦らずに、自社の「当たり前」の基準をもう一度振り返ってみてください。
良い習慣を根づかせ、従業員それぞれが得意領域で活躍できる体制を作れば、生産性は自ずと向上していくはずです。私たちもそのためのサポートを惜しみません。
(安東邦彦)