コンサルティング
前回のブログでは、アイドルグループTOKIOの元メンバー・山口達也さんがアルコール依存症について語った記事をご紹介しました。
(参照記事)朝日新聞DIGITALより転載
山口達也さん「恐ろしい、ようやく気づいた」アルコール依存症を語る
https://www.asahi.com/articles/ASR4D4GBPR44UTFL01Q.html
この記事に偶然集まった中小企業経営者からの多数のコメントでは、社長が抱えるストレスがいかに根深いものなのかを考えさせられます。
そうしたストレスの根っこには「経営者は強くなければならない」という思い込みがあるのかもしれません。
他人の前で弱音を吐けない、サラリーマンである社員にも相談できない……。
本当にそうでしょうか? アメリカでは、経営者にも当たり前のようにコーチやカウンセラーが付いています。「自分だけで何とかしようと思うのが間違い」という感覚が根づいているのです。
経営者だからといって、別に強くなくてもいい。困っているなら色々な人に助けてもらえばいい。考えてみれば、ごく自然なことですよね。
素直になって物事を考える。これ自体、1人では難しいことなのです。
経営者には上司がいませんし、指導してくれる人も基本的にはいません。大企業の社長ならステークホルダーの監視の目がありますが、中小企業の社長は違います。
社長を諫めてくれるような心ある社員もなかなかいません。こうなると、孤独に物事を考えがちな経営者はどんどん意固地になっていってしまいます。
経営に限らず、日本では「困難は自分1人で乗り切るもの」という根性論が重視されがちです。でも、その結果としてストレスやプレッシャーに押し潰されてしまっては元も子もありません。
もし今、経営者として苦しい状況にあると感じているならば、その原因は自分自身にあるのかもしれませんね。無意識に持っている「強くあらねば」などの理想像に苦しめられているのかも。だけど、周囲は誰もそんなことを望んでいないかもしれません。
自分で勝手に理想像を描き、自分で勝手に苦しんでいるだけ。だったら、そんな無意識の価値観は手放してしまえばいいと思いませんか?
その手助けをしてくれるコーチやカウンセラーを、経営者は求めるべきだと思うのです。
実は私自身も、最近はカウンセラーを付けたいと考えているところです。自分だけではなかなか気づけないことを客観視する手助けがほしいと。
私の場合は、たまに自分のフラストレーションがコントロールできなくなることがあります。その原因は自分にありそうだと感じるのですが、何が悪いのかがわからないのです。
色々と偉そうなことを書いている私も、会社経営をする中で「しんどいな」と感じる瞬間は多々あります。とはいえ、日々起こる物事に対して、直接的に怒りなどのネガティブな感情をぶつけるわけにはいきません。
私は基本的に怒りを自分でうまく消化していけるタイプだと思っているのですが、それでもフラストレーションが積み重なっていくと、自分でコントロールしきれなくなることもあります。
そのフラストレーションを客観視できるようになれば、状況は変わっていきます。次回のブログでは、私自身の心の内をもう少しだけ書かせてください。
(安東邦彦/第3回に続きます)