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2023.02.21

コンサルティング

サッカー日本代表に学ぶ「戦術をやりきる組織」の強さ

安東 邦彦

森保JAPANは本当に“戦術不在”だったのか?

2022年末は、サッカー日本代表から大いに勇気と元気をもらいました。

強豪国を打ち破る「日本代表のジャイアントキリング」で盛り上がりを見せたFIFAワールドカップ。苦戦に終わると見られていた大会前の大方の予想を覆す結果に、日本代表チームの監督である森保一さんへの評価もうなぎ上り。

次のワールドカップを目指す新生日本代表の監督として、森保さんの続投も決まりました。

一方、サッカー解説者やコアなサッカーファンの中では「森保続投を支持しない」声も少なくありません。

前回ワールドカップまでの4年間において、森保監督は常に「戦術不在」と批判され続けてきたからです。

戦術、あるいは戦略という言葉は、企業経営の文脈においてもよく聞かれます。私自身はサッカーの専門家ではありませんが、経営者の視点では、こうした戦術不在の批判について少し疑問を持っています。

森保監督は本当に戦術不在なのでしょうか。明確な目標を掲げていたワールドカップ本番の舞台で、森保監督は何を実行したのでしょうか。

経営者視点から、妄想を広げて考えてみたいと思います。

戦術は実行できなければ意味がない

そもそも戦術とは何なのでしょうか。

Wikipediaによれば

“戦術(英:tactics)は、作戦・戦闘において任務達成のために部隊・物資を効果的に配置・移動して戦闘力を運用する術である。そこから派生して言葉としては競技や経済・経営、討論、交渉などの競争における戦い方をも意味するようになる。”

とされています。

私自身はこうした定義を踏まえて、戦術は「実行できてはじめて意味のあるもの」だと考えています。どんなに綿密で派手な戦術を練っても、正しく実行しきる力がなければ戦いに負けてしまうからです。

そう考えると、ワールドカップでの森保監督は「短期決戦に勝つチームとしての戦術」をしっかりと練り、そして実行しきったと言えるのではないでしょうか。

ドイツやスペインといった世界有数の強豪とぶつかることを前提に、勝てる可能性のある戦術、自分たちが実行できる戦術を用意していたのではないかと想像しています。

前半は最小被害で守りきり、後半は一気に攻める。そのシンプルな戦術を実行するために必要な選手を選び、必要な布陣を敷いたのでしょう。

その結果、戦術・戦力・実行のバランスが取れた組織となり、大きな勝利を手にすることができたのではないでしょうか。

戦術の「確からしさ」を伝える力も大事

サッカーのナショナルチームはクラブチームとは異なり、長期的な目線での戦略の描き方には限界があるのかもしれません。そのときのベストメンバーで、いかに戦術を組むのか。 与えられた条件の中で最高のパフォーマンスを出すことを考えなければいけません。

日本代表でいえば、海外組と国内組の選手たちを融合させ、意思疎通を図るための時間も限られています。その中で、選手が「勝てる」と思えるように戦術を納得させ、試合での動きにつなげた点は、経営者も見習うべきだと感じています。

私はコンサルティングを通じて多くの企業を見てきましたが、素晴らしいノウハウを学んでも、実行できないでいる経営者は少なくありません。

社長が学んで納得できても、社員ができる状態ではない。そんな状況もたくさん見てきました。

戦術そのものの確からしさはもちろん、経営者には、その確からしさを伝える力も求められます。戦術で社員に「勝てる」と思わせ、1点を取るための方法を徹底的に考えてもらう。結果、組織には生産的で濃密なコミュニケーションが生まれていきます。

会社には、より長期的な目線で考えられるという強みもあります。「こんな勝ち方をするチームを作りたい」と考え、そのための人材を集め、教育していく。

その上で「実行できる戦術」を動かしていけば、大きな成果を得られるはずだと思うのです。

(安東邦彦)

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