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2022.12.27

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中小企業と副業トレンド(第3回) 〜人材のニーズを満たす現実策とは

安東 邦彦

副業を希望する人の真の動機は?

大企業でも終身雇用の幻想が崩壊し、多くの人がキャリアの不安を抱える現代。

こうした不安は、中小企業で働く人のほうがより深刻に捉えているかもしれません。

変化の激しい時代に自社は存続できるのか……。不透明感を前にして、「今の仕事だけでなく新しい分野でもスキルを得たい」と考える気持ちはよく分かります。

副業を望む人の動機を理解する上で押さえておきたいのは、この「新たな学びへの渇望」ではないでしょうか。単に収入を増やしたいというだけではなく、現在の仕事とは違った場所で、新たなスキルを身につけたいと考える人が増えているのです。

こうした動機に応えていくのであれば、中小企業でもすぐに取り組めることがあります。社外ではなく「社内で副業を経験してもらう」という方法です。

実際に社内副業にはどのような事例があるのか。詳しく見ていきましょう。

「就業時間の2割」「会社と業務委託契約」…さまざまな社内副業の形

はじめに紹介する例は通信大手KDDIの取り組みです。同社では2020年から、就業時間の2割を使って社内副業ができる制度を運用しています。

(参考1)就業時間の2割で「社内」副業。自分のやりたい仕事を自らつかむ
https://career.kddi.com/andkddi/category/culture/22012405.html

KDDIでは従業員本人と所属部署、社内副業先部署の合意の上で、半年間にわたり社内副業を経験することができます。副業先の業務も人事評価の対象となるそうです。

もう一つの事例は、従業員数100人超の中堅企業ガイアックスの取り組みです。同社では、従業員は自社と業務委託契約を結ぶことで社内副業を可能としています。

(参考2)【社内副業】従業員かつ業務委託という新しい働き方
https://www.gaiax.co.jp/blog/in-house-side-job/

社内副業の際にあえて業務委託契約を結ぶことで、適切に本業と切り離し、「社内の仕事なのだから無償で手伝うのが当たり前」という空気を生まないようにしているのかもしれませんね。

このように、「現在の仕事とは違うスキルを身につけたい」という希望に応える上では、社内副業にも大いに意義があるのではないでしょうか。

専門性の高い人材に「副業で」入ってもらう道も

他方、中小企業自身にも、副業トレンドが追い風となっていく可能性があります。

その鍵は「副業人材を受け入れる企業」となること。

大企業で働く人にとって、ベンチャーや中小企業の風土は異質であり、そうした環境で経験する仕事にもまた新たな発見があるはずです。

中小企業にとっては、マーケティングや財務、ITなどの高い専門性を持つ人材は喉から手が出るほどほしいでしょう。フルタイムでそうした人材を雇う余力がなくても、副業としてピンポイントで関わってもらうなら大いに可能性があるのではないでしょうか。

今後はフリーランス人材の活用と並んで、副業人材の活用も重要となっていくでしょう。副業トレンドを正しく見極め、社内外の人材にメリットを提供できれば、中小企業の経営にとってもプラスに働くはずです。

(安東邦彦)

▼【中小企業と副業トレンド】の過去記事はこちら

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