中小企業に求められるリスキリング文化(第3回) 〜「ポータブルスキル」を重視する理由 | 中小企業の経営コンサルティングならブレインマークス
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2022.10.18

コンサルティング

中小企業に求められるリスキリング文化(第3回) 〜「ポータブルスキル」を重視する理由

安東 邦彦

「ポータブルスキルを学び直す」ためのリスキリング

事業環境の変化に対応していくためには、社員が新しいことを前向きに学び、成長していける風土を作ることが大切です。

前回のブログでは、社員が学びのメリットを感じ、学びに前向きになれるようにするためのポイントを挙げました。

・社員一人ひとりの「ポータブルスキル」が高まる学びの場を提供する
・学ぶことで自分が成長でき、人の役に立てることを実感してもらう
・学んだことをすぐ成果につなげられる機会も準備する
・「学んでいる人はかっこいい」と思える職場の雰囲気を作る
・他人と比べるのではなく、過去の自分と比べる習慣を持たせる

ここで一番に挙げた「ポータブルスキル」の向上を、私はとても重視しています。

ポータブルスキルとは、目の前の仕事が何であれ生かされる、いわば仕事力の基本となるスキル。ブレインマークスでは、基本的なポータブルスキルを学び直すことこそ「リスキリング」だと位置づけているのです。

ポータブルスキルが身についていないと、どんな仕事を担当してもうまくいきません。反対にポータブルスキルを身につけていれば、仕事において成長していくためのテクニカルスキルもどんどん向上させていくことができます。

それは新人に限った話ではありません。むしろ重要なのは中堅メンバー。将来のリーダーとなる人材こそ、ポータブルスキルのリスキリングが欠かせないのです。

「月に3日」を研修にあてる

具体例をご紹介しましょう。

ブレインマークスでは、コンサルタントに対して毎月3日間の研修を行っています。月間で約20日の営業日のうち、3日を学びに割いているのです。

こう言うと驚かれることも多いのですが、学ぶべきことは無限にあると感じています。

社内研修では、コンサルタント養成講座やクライアントパートナー養成講座、企業文化の共有、7つの習慣研修などを内製で実施。

外部研修も、年間で1人あたり2〜3講座の研修を受けられるよう予算を確保し、それぞれが望むものを受けられるようにしています。

その対象はポータブルスキルを高められるもの。クリティカル・シンキングやロジカル・シンキング、速読など、どんな業務でも生かせる力を身につけてもらいたいと考えています。

中には年間400万円以上の研修に参加している社員も。

研修参加後には、全社研修の場で学びの内容をアウトプットしてもらい、自身の中に定着させられるようにしています。

ポータブルスキルはその人自身の人生を豊かにするものであり、学びを積み重ねていくことで、数年後の成長に大きな影響を与えるもの。だからこそ、ここまで力を入れているのです。

職場全体の風土が変わっていく

現在のブレインマークスは、「いつも誰かがどこかで学んでいる」組織となりました。

当然、学びに積極的な人は「あれも学びたい」「これも学びたい」と自発的に考えるようになります。もともと学びに消極的だった人も、「自分も学ばなければいけない」と感じて変化していきます。

こうして職場全体の風土も変わっていき、それぞれが「学ぶことで成長できる」「人の役に立てる」と実感できるようになりました。

そうしたアウトプットに常に触れているため、「学んでいる人はかっこいい」と互いに思える風土も生まれています。

私自身、社員が学んだ内容をいきいきと話している様子を見て、学ぶ喜びを実感してくれているのだと確信できるようになりました。

真の意味での成長を、自他ともに感じられるようにする。それこそがリスキリングに取り組む意義ではないでしょうか。

(安東邦彦)

▼【中小企業に求められるリスキリング文化】の過去記事はこちら

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