コンサルティング
事業を取り巻く環境が激しく変化し続ける現在。既存のビジネスの枠を超えて企業を成長させるために、リスキリング(学び直し)が注目されています。
これは大企業に限った話ではありません。中小企業も言うまでもなく、新たな学びを取り入れて自社をアップデートしていかなければなりません。
前回のブログでは、「社員が自律的に学ぶ風土を作ることは経営者の重要な仕事」だと書きました。
もし自社の社員が新しい学びに消極的だとしたら、それは学ぶ風土を作れていないということ。変化に対応して学ぶことに前向きな企業風土を、経営者は意図して作っていかなければならないのです。
こうした風土を持つ企業こそ、変化対応力のある企業だと言えるのではないでしょうか。
では、変化に対応して学ぶことに前向きな企業風土は、どのようにして作られるのか。
その鍵は、学びの楽しさを体感できる組織作りにあります。
私は、経営者が第一に考えるべきは「学ぶことに対して社員がメリットを感じられるようにすること」だと思っています。
メリットがないから学ばない……。そんな声を聞くと寂しい気持ちになるかもしれませんが、これは多くの人に共通する現実ではないでしょうか。
たとえば子ども時代に「学校の勉強を楽しいと思えなかった」人は少なくないはず。
なぜ楽しくなかったのかといえば、学んだことが目の前のメリットにつながると感じなかったからでしょう。
数学を勉強して、いったい自分の将来にどうつながるのか……。そんな疑問を抱いている限り、学びを楽しむことはできません。
これは企業組織にも当てはまります。社長や上司から「勉強しろ」と言われても、その勉強が目の前の仕事の成果に直結すると思えなければ、なかなか積極的に学ぼうとは考えませんよね。
組織の中で勉強することのメリットを感じられれば、最終的には一人ひとりの社員が「学ぶことは楽しい」と思えるようになっていくはずです。
つまり、社員が変化に対応して学ぶことに前向きな風土が作られていくのです。
学びのメリットを感じ、学びに前向きになれるようにするためのポイントを挙げてみましょう。これは私自身が組織作りで常に気を配っていることでもあります。
・社員一人ひとりの「ポータブルスキル」が高まる学びの場を提供する
・学ぶことで自分が成長でき、人の役に立てることを実感してもらう
・学んだことをすぐ成果につなげられる機会も準備する
・「学んでいる人はかっこいい」と思える職場の雰囲気を作る
・他人と比べるのではなく、過去の自分と比べる習慣を持たせる
こうしたポイントに加えて、社長である私自身が日頃から新しいことを学び、楽しんでいる姿を見せることも大切だと思っています。そのため私は、学んだことを必ず行動につなげ、社員にも共有するようにしています。
次回のブログでは、上記に基づくブレインマークスの具体的な取り組みについて紹介させてください。
(安東邦彦/第3回に続きます)