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2022.09.16

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「社長不在」でも揺るがない中小企業のBCP(第2回) 〜社長が稼ぎ続けているというリスク

安東 邦彦

社長がトップを張っていれば、組織の社長依存は強まるばかり

明日もし、社長が業務に就けなくなってしまったらどうするのか。

中小企業にとって最大のリスクと言える「社長不在」の非常事態に対応するためには、どのようなBCP(事業継続計画)が必要なのか。

前回のブログではこのテーマについて、社員数10名前後の中小企業が陥りがちな「勘違い」について触れました。

社員数10〜15名くらいの規模までは、社長の頑張りこそが会社の成長の原動力となります。しかし社員数20名を超えるラインになってくると、同じやり方は通用しません。社長の頑張りはむしろリスクとなり、成長の足かせとなっていくのです。

例を挙げれば、社員数10名前後の中小企業では、社長がトップセールスであることがほとんどでしょう。

何しろ自社の事業に最も精通しているのは社長自身です。創業前には、セールスなどの専門分野を極めてきた経験を持っているかもしれません。天才的な経営勘を持ち合わせているかもしれません。

しかし、名プレイヤーである社長のスキルを体系化する力がなければ、組織の社長依存は強まる一方です。その状態で社長1人が背負える数字の限界を超えたら、会社はどうなると思いますか?

社長1人で1億円を稼げるのか

いつまでも社長がトップセールスで、社長に依存し続けている会社では、企業規模が大きくなればなるほど当の社長自身が大変になっていきます。なぜなら、企業規模が大きくなればなるほど必要な数字も増えていくからです。

たとえば、1人あたりに求められる年間生産性が1000万円の会社があるとしましょう。

社員数10名であれば年間1億円。トップセールスである社長は、必死の思いでその半分の5000万円を稼ぎ出しているかもしれません。社員が成長しないまま規模が大きくなり、社員数20名ともなれば、社長は1人で年間1億円を稼ぎ出さなければならないことになります。

ちなみにこの例は、私自身にとってもリアルな数字です。

現在のブレインマークスは年商2億円強。私はこれまでの経験から、1人で年間5000万円ほどであれば稼ぎ出すイメージを持てます。しかし1億円となると限界を超えた数字に思えるのです。

この状態のブレインマークスで私がいなくなってしまったら、大きなダメージとなることは容易に想像がつきます。新型コロナに感染して1週間ほど休む程度なら、大した影響はないかもしれません。

でも、もし私が死んでしまったら……?

「社長にしかできないこと」を減らしていくしかない

もちろん、毎日そんな悲観的なことばかりを考えて経営しているわけではありません。

とはいえ中小企業で起き得るリスクを現実的に考えれば、大規模な自然災害に見舞われるよりも、社長が死んでしまうことのほうが可能性としては高いでしょう。病気や不慮の事故のリスクは常に付きまといます。

だからこそ、「社長不在に備えること」が中小企業のBCPでは最も重要なのです。

そのための具体策は、社長しか持っていないスキルを組織へ移植し、社長にしかできないことを減らしていくことしかありません。中小企業のBCPの本丸は属人化の徹底的な排除です。

それは今日考えて明日完成するようなものではありません。場合によっては3年、5年、10年とかかることもあるでしょう。

私もすでに取り組み始めています。次回のブログではその一端をご紹介します。

(安東邦彦/第3回に続きます)

 

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