コンサルティング
コロナ禍においては、企業が潜在的に抱えていたさまざまな問題が表出しています。
特に多くの組織で問題視されているのは「社内コミュニケーション」のあり方ではないでしょうか。
ブレインマークスでは従来、中小企業の成長を妨げる経営6大課題の一つとして「組織が一つにまとまらない」(会社の雰囲気が悪い、チームワークがない……)ことを指摘してきました。
(参考1)経営の6大課題
https://www.brain-marks.com/beginner
いつでも同じオフィスにいることが当たり前ではなくなり、社内コミュニケーションの希薄化がますます深刻になっている企業も少なくないでしょう。
こうした状況を受けて、最近では「社内ラジオ」や「社内YouTube番組」といった新たな取り組みも登場しています。社長が積極的に登場して、社員へ語りかけている例もあります。
物理的な距離を超えて社内コミュニケーションを活性化させられる手段としては、確かに有効なのかもしれません。
ただ、こうした仕組みを作ること以上に大切なのは、普段から社長が社員へ語りかける際の内容や、伝えるための場を工夫することではないでしょうか。
ピンチのときに、社長は何を、どのように語るべきなのか。ブレインマークスにおける社内コミュニケーションの工夫を交えてお伝えします。
コロナ禍で社内コミュニケーションの希薄化が問題視される中、新たな試みとして「社内ラジオ」「社内YouTube番組」といった取り組みが広がっています。
参考1:株式会社パネイルの社内ラジオ「パネラジ」
https://www.fnn.jp/articles/-/56951
参考2:エン・ジャパン株式会社「YouTube社内報」
https://corp.en-japan.com/newsrelease/2020/23981.html
共通しているのは、社長自らが積極的に社内番組に登場して、趣味や恋愛相談、人生観など日頃の業務では語らないようなカジュアルな内容のトークを繰り広げていること。
経営者は積極的に情報を発信していくべきであり、自分自身の人となりを含めて社員へ伝えていくのは大切だと思います。そのための方法として、音声や動画が最適というケースもあるでしょう。
会社が厳しい局面を迎えているときには特に、社長が「どこへ向かうのか」「どうやっていくのか」を語らなければいけません。そうしたメッセージを伝えやすくするためにも、日頃のコミュニケーションは重要です。
私の場合は、普段から講座やセミナーに登壇して話す機会を数多くいただいています。幸いなことに、こうした場で話す内容が社員への発信にもなっています。
コンサルティングの現場で話している私の思いも、同席する社員へと日々伝わっているでしょう。
一方で、製造業などでは「社員に思いを伝える場がなかなかない」と悩んでいる社長もいるかもしれません。経営計画共有会などで講話をしても、年に一度の場ではなかなか伝わりきらないものです。
そうした企業の場合は、どのように社長の思いを伝えていくべきなのでしょうか。
ブレインマークスの場合はまだまだ規模が小さいため、社内報などは発行していません。ただ、「コアバリューブック」をはじめとして、ブレインマークスが大切にする考え方を伝えるための仕組みは力を入れて整備してきました。
あるいは1on1ミーティングや週次ミーティングなど、堅苦しい内容だけでなく何でも話し合える場も、体系立てて用意しています。
結果的にブレインマークスでは、コロナ禍のずっと以前から、社員が集まって飲みに行く機会はほとんどありませんでした。飲み会でのコミュニケーションを必要としていないからです。
私たちはどのようにして思いを伝える方法を築いてきたのか。次回はその具体策をお伝えします。
(安東邦彦/第2回に続きます)