コンサルティング
成果を出すために自ら考え行動する。そんな人材を育てたいという思いは、多くの経営者に共通するところだと思います。
中小企業で自律人材を育てるためには、何が必要なのでしょうか。
前回のブログでは3つのポイントをお伝えしました。
この3つがそろわなければ、自律人材は育たないでしょう。
ブレインマークスのコンサルティングで活用する「6×15の経営理論」においても、自律人材を育てるために、上記3つのポイントを意識した取り組みを進めています。
(参考)6×15の経営理論
https://www.brain-marks.com/beginner
一方、3つのポイントが整っているにも関わらず、社員の自律が阻害されてしまうことも、企業組織ではしばしば起こります。
その原因は何だと思いますか? 実は、最後の問題は社長自身に潜んでいるのです。
社長が社員の自律を阻害してしまうとは、どういうことなのか。
結論から言うと、それは「権限移譲」によって引き起こされます。
自律人材が育っていけば、社長が担っている役割、社長しか担えなかった役割をどんどん任せていけるはずです。とはいえ、権限委譲のタイミングでは、どうしても一定のレベルダウンが起きてしまいます。
それを恐れて「社員ができるようになってから任せよう」と考えていては、いつまで経っても権限委譲が進まず、ひいては社員の自律を妨げることになってしまうのです。
権限移譲は最大の教育プロセスだと言えます。「できるようになってから任せる」ではなく、「任せるからできるようになる」のだと考え、長い期間をかけて役割を任せていく覚悟を持たなければいけません。
社長が正しく経営を学び、実行していけば、今までの実務をやっている場合ではなくなるはずです。そう考えれば、権限委譲とは社長にとっての最重要な仕事だと言えるのではないでしょうか。
かく言う私自身も、時間をかけて少しずつ、権限委譲に挑んでいるところです。
以前は私自身が一から十まで関わっていたマーケティング実務については、現在は社員にほぼ任せられるようになりました。
より難易度の高い商品開発に関しても、徐々に権限委譲しています。ブレインマークスのサービスはもはや私だけでは生み出せません。
自律した社員が育ち、従来の社長の役割をどんどん奪っていく。そして社長は会社の未来へ向けて新たな役割を担っていく。
そんなサイクルを、私たち自身も実現させていきたいと考えています。
(安東邦彦)
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