コンサルティング
前回のブログでは、ブランディングの根底にあるものとして「自社の事業活動によって社会へ貢献できている実感」が必要だと書きました。
事業によって社会へ貢献していく。その根っこには、「人は年々、より良い方向へ進んでいくべきではないか」という思いもあります。
僭越ながら私自身は、年々より良い方向へと、人として進んでいるつもりでいます。昔みたいに短気になることはなく、穏やかに生きていられていると思うのです。派手さはなくとも、自分なりに正しく生きているつもりです。
運は「運ぶ」と書きますよね。これは偶然やラッキーを意味するのではなく、自分の行動を見ていた周りの人たちが、新たな機会を運んできてくれるものだと思うのです。
自分の行ないを見ている周りの人たちから、「安東に頼もう」「安東を誘おう」と思ってもらえるかどうか。
そう思ってもらえない生き方をしていると、運も運んでもらえなくなってしまうのでしょう。
私は経営者として、ブレインマークスの社員には「運を運んでもらえる生き方」をしてほしいと考えています。経営者として尊敬できる人には、そうした人が非常に多いからです。
そして、そんな経営者が率いる会社はブランディングにも成功しています。
経営者として尊敬できる人は、年を重ねるごとにどんどん丸くなり、年を追うごとにいろいろなものを許容できるようになっていっているように感じます。
その姿勢は、近年盛んに言われる「多様性」の実現にもつながります。相手の立場を理解し、考慮する。そんな力をどんどん高め、社内へ伝播させているのだと思います。
いろいろな立場の人がいて、様々な考えがある中で、一つひとつを否定するのではなく、自分の考えにこだわらない。
自分自身は尖っているけど、広く意見を聞くことができる。
人をジャッジするのではなく、受け入れていく。
こうした経営者は、時代の変化を楽しめているとも感じます。時代の変化を嘆いたりけなしたりするのではなく、「若い人の考え方は面白いよね」と楽しみながら、素直に受け入れられるのです。
だからこそ自社のメッセージを正しく発信でき、斬新なブランディングもできるのでしょう。
こうした例とは逆に、悪い年の取り方をしてきた人は、人をジャッジすることばかり繰り返しているように見えます。
「若いやつがダメなのだ」「普通はこうするだろう」と……。
それは社員に対する物言いにも現れます。こうした企業は、ブランディングも思うように進みません。
人間、年を重ねれば重ねるほど、先入観に縛られていくもの。若い人は先入観なく世相を純粋にとらえていくことができますが、年を重ねた経営者にとっては簡単ではありません。
身近な例でいえば「ファッション」もそうですよね。年を重ねても、自分が若いころの流行にとらわれている人がいます。
自分の中に無意識に形成される先入観に抗うには、世の中の流れについてもアンテナを張っておくことが大事なのかもしれません。
そうして新たな価値観に触れ、「ジャッジせずに尊重する」習慣を身につけていくことが、ブランディングに長けた経営者となるために必要なことではないでしょうか。
(安東邦彦)
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