コンサルティング
このブログの第1回では、冒頭に「海外進出に取り組む中小・零細企業の記事」をご紹介しました。
いずれも食品を扱う企業の事例です。ご覧になった経営者の中には、「有形商材だからこそ日本企業の良さが伝わったのではないか」と感じる方もいるかもしれません。
では無形商材の場合は、どのように海外進出の可能性を考えていくべきなのでしょうか。
これは大切なテーマです。私たちブレインマークスも、コンサルティングという無形商材を扱っている企業ですから。
私の結論としては、規制がある業種を除けば、中小企業はすべからく海外の可能性に目を向けておくべきだと思います。
従来の世の中は、何らかの連続性を持って変化が起きていました。しかしコロナを起点にしたDXでは非連続の変化が起きています。これまでの価値観が、ある日ガラリと変わる。そんな時代なのです。
エリアも国も人種も、もしかすると業種間の境目も、今後はなくなっていくのかもしれません。そうなれば結果的に最後に残るのは、「顧客にどれだけ価値提供できるか」。そのシンプルな部分に集約されるのではないかと考えています。
自社の提供価値をいかに高めるか。この一点に集中し、あとは既成概念さえ取っ払えば、無形商材を扱う中小企業も自然と海外へ進出していけるはずです。
中小企業の組織課題は世界共通です。人種や文化による多少の違いはあれど、「同じ人間である」という根本は変わりません。経営者が自分の欲望のために働き、従業員は自分の生活のために働く。その形はどこへ行っても変わらないのです。
組織論も世界共通です。そして、これだけ世界中でさまざまな組織論が出されているのに、組織で悩んでいる人ばかりです。
考えてみれば、世界中のあらゆる場所で、「経営者になったことがない人」が起業という初めての体験を見様見真似で進めているわけですよね。これは、よくよく考えてみればとても恐ろしいことです。
「わかる」と「できる」は別。野球でも、本で正しいバッティングフォームをたくさん学んだからといって、バッターボックスに立っていきなり打てるわけではありません。組織づくりも同じです。
ある意味、入り口は簡単かもしれません。人を雇って業務を任せていくという最低限のことは誰でもできるでしょう。
しかし、組織をつくって発展させ、よりよい状態を実現していくには、特殊なトレーニングを受けて専門性を身につけていかなければなりません。本当の意味で業績を上げ続ける組織をつくるには技術がいるのです。
こうした世界共通の知恵を提供できる企業となれれば、ブレインマークスは世界中どこでも勝負できるはずだと思っています。
こうした具体的なトレーニングまで提供するブレインマークスの取り組みを海外へ発信していけば、マーケットは大きく変わるかもしれません。
ただ、現時点では、自社のサイトやブログをただ英訳して発信することは考えていません。
なぜならブレインマークスのサービスは、言葉の力で人を変えていくものだからです。そのためのテキストは、ただ英訳しても伝わらないはずです。
目標としている地点は2025年です。ここまではブレインマークスの商品づくりに磨きをかけ続け、2025年から2030年にかけては、ブレインマークスの考えを真に理解して、かつ語学堪能なメンバーによって本格的に海外展開していきたいと思っています。
計画を立て、着実に海外展開を実行していく。そのための準備を始めるのに、今が早すぎるということは決してありません。
いざ展開しても、今はオンラインでコストをかけずに市場を探っていける時代です。万一うまくいかなくても、撤退の傷は浅いはず。
必要なのは、「うちは中小・零細だから……」と自分で勝手にフィルターをかけることなく、海外への可能性を見据えて、自社の価値を磨いていくことではないでしょうか。
(安東邦彦)
▼【「中小企業の海外進出」を本気で考える】の過去記事はこちら