コンサルティング
グローバル化が叫ばれるようになって随分と経ちました。大企業のみならず、中小企業においても、国内マーケットだけを見ていては成長の限界を迎えてしまう時代です。
そんな流れを象徴するかのように、地方の元気な中小・零細企業が海外進出に挑んでいるという報道がありました。以下はいずれも日本経済新聞の記事です。以前にご覧になっている方も多いかもしれません。
■アレルギー対応の菓子を海外へ 香川の製菓会社
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC063KP0W1A700C2000000/
小麦粉や卵、乳製品を使わず、アレルギー対応やグルテンフリーで人気の菓子を製造・販売する香川県の会社が海外展開を強化しています。宗教上の理由から食事に制限のある人や、ビーガン(完全菜食主義者)の需要取り込みを狙っているそうです。
上記で注目すべき点は、従来は国内向けに製造していた「アレルギー対応」などの商品の強みが、そのまま海外への販路で生かされていること。
また、新型コロナウイルスによってオンラインの商談が一般的になったことも、中小・零細企業の海外進出を後押ししているようです。
世界が「遠くなったようで実は近くなっている」今だからこそ、中小企業は海外進出の可能性を本格的に検討すべきなのかもしれません。
中小企業が磨いてきた独自性や柔軟性ある商品開発の力をどのように活用していくべきなのか。その可能性を考えます。
海外進出というと、まず思い浮かぶのは「言葉の壁」ではないでしょうか。事実として言葉の壁を超えられずに海外進出に躊躇している中小企業は少なくないと思います。
しかし、中小企業にも、国境を超える動きは確実に迫っています。ブレインマークスにも実例があるのです。
新型コロナウイルス以降、ブレインマークスでは「リモートワーク」が今後の働き手確保の重要ポイントになってくると考え、実際に1年前からリモートワーカーの採用を始めました。
現状で5人のリモートワーカーが活躍してくれていますが、そのうちの1人はタイ在住です。
また、リモートワーカーの新しい働き方を見たことによる変化も起きました。ある社員は、配偶者の転勤をきっかけに台湾へ移住することになり、移住後もブレインマークスの正社員としてリモートで働くことを決断しました。
働き方の面で言えば、あっという間に国境を超えられる――。私自身、そう実感しているところなのです。
事業においても、今年のブレインマークスでは大きな変化がありました。
私がかつて大きな学びを得て、現在のブレインマークスのコンサルティングに大きな影響を与えたアメリカの実業家、マイケルE・ガーバー氏が、2021年5月からブレインマークスの経営顧問としてアドバイザリー契約を結んでくれることになったのです。
これによって、希望するクライアントにはオンラインで間接的にガーバー氏からアドバイスを受けられる体制となりました。
私としても、ガーバー氏が実際のコンサルティング現場でどのようにアドバイスをするのか、また新たに学びたいと考えています。
今は、こうした大きな変化をいとも簡単に起こせる時代になりました。
コロナでみんなが表に出られない時代だからこそ、国内であれ海外であれ、ちゃんと思いを持ってコンタクトを取ってくれる人には真剣に応えようとする動きが加速しているのではないでしょうか。
言葉の壁は依然としてありますが、各種の翻訳ツールの精度はどんどん高まっており、通訳者を付ける場合もオンラインで参加してもらえるためハードルは低いと言えます。
次回のブログでは、こうした環境を中小企業がどのように生かしていくべきなのか、さらに踏み込んで考えたいと思います。
(安東邦彦)