ブレインマークス流「テレワーク」運営術(第1回) 〜働き方を変えて戦力を増やす | 中小企業の経営コンサルティングならブレインマークス
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2021.09.21

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ブレインマークス流「テレワーク」運営術(第1回) 〜働き方を変えて戦力を増やす

安東 邦彦

テレワークはコロナ後も定着していくはず

コロナ禍と呼ばれる異常事態が始まってから、まもなく1年半になろうとしています。

この間に一部の日本企業では働き方が大きく変わりました。以前はレアケースでしかなかったテレワークが当たり前になり、大企業を中心として、継続的に実施している職場も少なくありません。

一方で中小企業の対応は分かれています。テレワークができそうな業種なのに、なかなか導入が進まない職場も。

こうした状況に対して、行政はさまざまな支援策を実施しています。たとえば東京都は「中小企業のテレワーク導入支援策」として、関連経費を補助する取り組みを進めています。

(ただし補助には条件があり「テレワーク可能な社員の7割が週3日以上テレワークをし、1~3カ月間継続すること」。かなりシビアな内容だと感じる中小企業が多いかもしれませんね)

コロナ以降の働き方がどのように変わっていくのかは見通しきれませんが、テレワークの運用に成功している企業ではある程度、定着していくでしょう。

ブレインマークスにおいても、ここ1年で「テレワーク人材」を採用し、活躍してもらっています。

中小企業はテレワーク人材をマネジメントする上で、どのようなポイントを押さえるべきなのか。私たちの体験をもとにお伝えできればと思います。

「テレワークで戦力ダウン」の不安

いわゆるエッセンシャルワーカーを中心とした職場を除き、多くの業種・職種で導入されるようになったテレワーク。しかし中小企業の中には、業種的に無理なく導入できそうなのに、二の足を踏む経営者が少なくありません。

なぜ中小企業のテレワーク導入が進まないのでしょうか。

定性的な側面として、そこには中小企業経営者の本音が見え隠れしているように感じます。

「現在の社員をテレワーク化すると、戦力ダウンしてしまうのでは……?」

そんな漠然とした不安を抱いているのではないでしょうか?

これは、社長としての率直な、無理からぬ思いでしょう。テレワークではコミュニケーションが複雑になり、新たな管理の方法を模索しなければなりません。当然ながら社内の統率は難しくなります。

オフィスの中にいたときにはちょっと声をかければ済んでいた用事も、物理的に離れていると時間がかかるようになってしまうかもしれません。

どうしてもデメリットばかりが目立って見えてしまいますよね。

私も同じです。ブレインマークスでは数年前からオンライン会議システムの活用を進めてきましたし、いつでもテレワークに移行できる体制を整えていますが、社員をテレワーク化することには踏み切りませんでした。

「テレワーク枠」採用で戦力を純増

では、テレワークという手法を取り入れて戦力アップするにはどうすればいいのか?

私が出した結論は、テレワークを希望する人を最初から「テレワーク枠」で採用することでした。これはテレワーク人材を増やすことが目的ではありません。あくまでも、会社としての戦力アップの手段として、テレワーク枠での採用を行なったのです。

職種は「動画編集」「ライター」「採用担当」の3つ。これらは現社員では対応しきれなくなっていた業務でした。そこで、業委託として、テレワーク人材を新規採用し、戦力の純増を図りました。

テレワーク人材として働いているのは、子育てなどによって働ける時間が限られている主婦の方や、海外に出かける自由人などさまざま。現在では5人が活躍しています。

実際にやってみると、大きなメリットを感じています。

まずテレワーク人材は、これまでと比べて大幅に採用がやりやすくなります。「勤務地」や「居住地」の概念がないので、全国、もしくは全世界を対象として採用活動を行なえるのです。

また、テレワーク人材の活用を進めることで働き方の多様化を実現し、結果的には現社員の個別のニーズにも応えられるようになりました。

たとえばある社員は、結婚を機に海外移住することが決まっています。一昔前なら退職やむなしの状況だったと思いますが、この社員は移住後もテレワーク人材として働き続けてくれる予定です。

この経験から私は、中小企業が取り組みやすいのは既存人材の働き方を変えることではなく、新しく採用する人から働き方を変えていくことではないかと考えています。

次回のコラムでは、こうしたテレワーク人材との仕事の進め方や、マネジメントの方法についてご紹介できればと思います。

(安東邦彦)

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