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2021.04.27

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「うっせえわ」は若手の心の叫び?(第1回) 〜上司に反発するのは当たり前

安東 邦彦

若手はもっと頑張って反発すればいい!

話題の『うっせえわ』。お聴きになったことがあるでしょうか?

2021年に入ってから、動画配信サイトや音楽ストリーミングサービスで『うっせえわ』というタイトルの曲が大ヒットしています。このタイトルにはじまり、綴られる歌詞も話題に。

「経済の同行も通勤時チェック 

純情な精神で入社しワーク 

社会人じゃ当然のルールです」

「酒が空いたグラスあればすぐに注ぎなさい

皆がつまみ易いように串外しなさい」

歌詞の主人公は社会人1年目でしょうか。型にはまったように浴びせられる上司の言葉を列挙し、サビでは「うっせえわ」を連呼して反発します。

小学生にも大人気とあって、一部では「子どもの教育に悪影響が出るのでは」と懸念する声もあるようです。上司の立場でこの歌詞を見れば、思わず眉をひそめてしまうという人もいるかもしれませんね。

今回はこの『うっせえわ』を題材にして、組織マネジメントや上司のあり方を考えたいと思います。

私自身はこの歌の歌詞を見て、「とても面白い」と感じました。「若手はもっと頑張って反発すればいい」とも思いました。

なぜなら私も大いに共感できるからです。社会人になったばかりのころ、私は上司や、上司を取り巻く会社の空気に反発ばかりしていました。

上司のためだけに存在する日報に「うっせえわ」と思った

大学を卒業した私が飛び込んだのは、建設業界を顧客に持ち、「どぶ板営業」を地で行くような企業でした。

そのころの私は「いつか起業したい」という思いを胸に秘めながら、誰よりも早く成果を出してやろうとギラギラしていました。

自律的に成果に向けて動く。もちろん上司に言われたことも、成果を出すために必要だと思えば忠実にこなしていました。だけど、どうしても納得できない指示もあります。

その一つが「日報を書け」というものでした。

毎日の営業記録を残すこと自体は分かるのですが、問題はその運用です。日報をちゃんと書いて提出しても、内容にはほとんど触れられません。つまりこれは「上司がマネジメントしている証」として使われることにしか機能していなかったのです。

日報を書く意味がまるで理解できないと思った私は、提出をやめました。すると当然上司が怒ります。そこで私は「なんで日報を書く必要があるんですか?」と正面から聞いてみました。

すると返ってきた答えは「ルールだからやるんだよ!」。

何だそりゃ? 

私はそれこそ「うっせえわ」と腹の中で思いながら、なるべく時間をかけないように適当に日報作業を済ませるようになっていきました。

人生で最も大きな変化の時期に、抵抗するのは当たり前

誰しも、若手時代には似たような経験があるのではないでしょうか。

「うっせえわ」と歌う今の若い人たちの価値観が特殊なわけではないと思います。若手が上司に反発するのは、昔から変わらないのです。

社会人になったばかりの人は、大きな変化にさらされています。それまではずっと学生の価値観で人生を生きてきたわけですから。

お金を払うことで手厚くもてなされた十数年間を経て、社会に出れば急に逆転し、お金をもらって「自分を変えなさい」といろいろな人から言われることになります。ある意味では、人生で最も大きな変化の時期だといえます。

そんな状況で意味の分からないことを言われれば抵抗するのは当たり前だし、抵抗しない人は「やわ」だとさえ言えるのかもしれません。

若手は、納得がいかなければ思いきり抵抗すればいいのです。

こんなことを言うと「マネジメントが大変になる一方じゃないか」と思う上司や経営者もいるでしょう。

そんな方はぜひ、「なぜ若手に反発されるのか」をより深く掘り下げて考えてみていただきたいと思います。上司の発する言葉、その一つひとつに問題があることも少なくありません。

次回は「うっせえわ」と思われてしまう上司の特徴を考えてみましょう。

(安東邦彦)

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