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2020.07.07

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「危機を乗りきる社長」のマインドセット(第1回)〜会社の目的・意義を見つめ直す

安東 邦彦

「経営者が自分自身を守る」ということ

新型コロナウイルスの影響により、働き方やマネジメントのあり方を見直した企業も多いのではないでしょうか。

政府や自治体による外出自粛要請を受けて、経営者の中には時差出勤やリモートワークの導入を新たに決定した方も多いことと思います。

先のことを見通せない状況で、会社を存続させるため、そして社会の要請に従うために何らかの手を打たざるを得ない……。緊急事態の中で、完璧な意思決定や対応策などというものは存在しないでしょう。

それでも社員からは、様々な声が寄せられます。

「子どもの面倒を見ながら家で働くのは無理がある」

「ネット環境が万全ではないので仕事に支障が出てしまう」

「そもそも自宅には十分なワークスペースがない」

などなど。

企業としてのサービスレベルを維持し、社員に成果を出してもらうためには、そうした不満や不安を解消すべく対応していくしかありません。

そしてもう一つ、決して忘れてはならない観点があります。

それは「経営者が自分自身を守る」ということ。

経営状況にのしかかる不安。前例のない意思決定を重ねる日々。こうした繰り返しの中で、経営者は自分でも気がつかないうちに自分自身を追い込んでしまっているかもしれません。

今回は、社長であるあなた自身に向けてメッセージを送りたいと思います。

大切なのは、目的を見失わないこと

「仕事が面白くない」

そんなことをぼやきながら不満やストレスをため込んでしまう社員は、今のような非常時ではなくても、どんな組織にでもいるものです。

そうした社員はなぜ、仕事が面白くないと感じてしまうのでしょうか?

私は、人間というものは目的を見失った瞬間に、仕事への面白みをなくしてしまうのだと考えています。

仕事をしていれば大なり小なり、誰しもがストレスを感じるもの。それでも自分が携わっている仕事の目的がはっきりしていれば、前向きに取り組んでいけるようになります。進むべき道も見えてきます。

大切なのは目的を見失わないこと。「この仕事は何のために、誰のためにあるのか」を意識できるようにすることです。

中小企業の社長の大切な仕事は、社員一人ひとりの仕事に目的を持たせてあげることなのでしょう。

もちろんそれは、社長自身についても言えることです。

自分たちの会社や仕事にはどんな意義があるのか?

新型コロナウイルスがもたらした危機の最前線では、医療現場に携わる方々が身を挺して頑張ってくださっています。

「人々の命を守る」という、残酷なほどに明確な目的と意義がそこにはあります。中には小さなお子さんを抱えながら勤務し続けている方もいるでしょう。本当に感謝しかありません。

同時に私は、社会を構成するどんな仕事にも、社会に役立つための目的や意義があるはずだと思うのです。

自分たちの会社や仕事にどんな意義があるのか。今はまさに、それをもう一度問い直してみるべきタイミングだと思いませんか?

アメリカの心理学者アブラハム・マズローは、人間の欲求を分析し、有名な「欲求5段階説」を打ち立てました。その礎にあるのは生理的欲求であり、次にあるのは安全欲求です。

そうした人間の根本とも言える生存本能に突き動かされ、「会社が潰れそうだから何とか働いてくれ」と社員に呼びかけることを、私は否定しません。

会社を守るために、そしてそこで働く社員を守るために、やむを得ず働かなければならない現場も多いでしょう。

しかしそうしたメッセージだけでは、社員はもちろん、経営者自身も、目的や意義を見据え続けることは難しいと思うのです。

危機の中で、経営者はどのように意思決定を下していくべきなのか。

次回は、私自身が最近体験したエピソードを交えて考えていきたいと思います。

(安東邦彦)

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