コンサルティング
世の中のほとんどの社長は、「元スーパービジネスパーソン」です。
そのため、自分がやってきたこと、自分では当たり前だと思っていることを
社員ができないと、もどかしくて仕方がないようです。
この状況は、会社を組織化し、拡大していく上で大きな障壁となってしまいます。
組織化を実現したいと考えるなら、
現状の「人」に対する考えを少し見直してみるべきではないでしょうか。
■社長が感じる「もどかしさ」
今回は、社長からの相談でもっとも多く、悩みの深い
「組織づくり」について考えてみたいと思います。
ここ最近、コンサルティングの場でご相談を多くいただくのが
「組織」や「人」にまつわる悩み。
その中でも特に
「優秀な営業マンが育たない」
「できる社員とできない社員の差が激しい」
といった課題をあげる方が多いように感じます。
考えてみれば、ほとんどの社長は「元スーパービジネスパーソン」です。
自分自身は難なくこなしてきたこと、
当たり前だと思ってやってきたことを、
社員がそのままできるとは限りません。
そんな状況にもどかしさを抱え続けている人も多いことでしょう。
■「社長が望む人材」は来ない
同時に、多くの社長が「何となく気づいていること」があります。
それは、普通の中小企業に
「社長と同じレベルの即戦力人材が入社するはずはない」ということ。
考えてみればこれは当然です。
社長と同じことができるスーパー人材なら、
もっと知名度や資本力を持つ大企業からも引く手数多でしょう。
社長が望む人材は、その会社には来ない。
その現実に気付きつつも、
「いつかはスーパー人材が入社して、自分と同じように
経営者意識をもって自分を助けてくれるのではないか」
という幻想が捨てられないのです。
■平凡な人材が非凡な成果をあげる方法
その幻想は捨てましょう。
社長が心血を注いで考えるべきことは、
「どうすれば、平凡な人材が、非凡な成果をあげることができるのか」
「平凡な人材を優秀な人材に育てるトレーニング方法とは何か」
です。
そのために必要なシステムをつくるのです。
私は「安東さん、本当にいい人材っていないですよね」といつも嘆いている
25歳の経営者を知っています。
また、76歳のベテラン経営者も同じように顔をしかめながら、
「自分の仕事を任せられる人がいない」と会うたびに繰り返します。
ずっと優秀な人材を待っていてもめぐり合えません。
考え方を変えない限り、76歳になるまで
同じことで悩み続けることになるかもしれません。
■まずはあなたの理想像から
では、平凡な人材で非凡な成果をあげるために、何をしなければならないのでしょうか。
まずは、あなたの考える理想の行動を明確にすることです。
・あなたが理想とする営業とは?
・あなたが理想とする電話対応とは?
・あなたが理想とするものづくりとは?
・あなたが理想とするサービスとは?
・あなたが理想とする契約後のフォローとは?
そんな理想像を描いてみてください。
人は、頭の中にイメージしたものしかつくることはできません。
エジソンが電球を発明したのも、ライト兄弟が空を飛ぶ飛行機を実現したのも、
頭の中に完成型をイメージできていたからです。
あなたの理想を実現する最高の状態。
その状態を実現するためには、何が必要でしょうか?
理想像から逆算することで、今まで見えなかったものが見えてくるかもしれません。
心のリミッターを外し、成長する姿を非常識なくらい描くことも
時には必要なのです。
(安東邦彦)