コンサルティング
■ボストン交響楽団の「意外な方法」に学ぶ 〜自社にあった採用活動とは?
「ほしい人材が応募してくれない」「応募者の数が集まらない」……。
企業の採用に対する悩みは尽きません。ある人材会社が行なった「採用活動の課題」アンケート調査を見ると、募集時の課題は質量共に候補者が集まらないといったものが中心のようです。
採用難時代と言われる昨今、こうしたお悩みはいたるところで聞かれます。超売り手市場と言われる中では、企業の採用がうまく進まないのも仕方がないことなのかもしれません。
しかし、ちょっと立ち止まって考えてみたいこともあります。ほとんどの企業は「書類選考」をして、「何回かの面接」を実施し、「役員や経営者の最終面接」を経て内定を出すという、まったく同じ選考プロセスを取っています。
企業によって、あるいは職種によって求める人材は違うはずなのに、選考方法はなぜ似たり寄ったりなのでしょうか?
ここで一つの興味深い事例をご紹介しましょう。あの有名なボストン交響楽団では、1952年に世界で初めて、「技術のみで採用を決めるオーディション」を実施しました。
このオーディションでは応募者と試験官は言葉を交わさず、顔を合わせることもありません。
さらに、試験会場には厚いカーペットが敷き詰められます。これは靴音(例えばハイヒール)によって性別が分かってしまうことを防ぐためです。
採用基準はあくまでも「演奏技術に秀でていること」であり、それ以外の年齢や性別、容姿といった情報は完全に遮断して選考が進められました。この徹底したやり方によって、世界に冠たる交響楽団のメンバーが選ばれていったのです。
企業の採用でも、最近は麻雀によって頭の回転や勝負感を見るなど、独自の方法を試みる例が出てきています。面接をしても、入社後の活躍や会社との相性を見通せないとの考えからです。
自社にはどんな人が必要なのか。そのために必要なのはどんな選考方法なのか。一度、ゼロベースで考え直してみるべきなのかもしれません。
【ブレインマークスからのワンポイントアドバイス】
あなたの会社では、どのようなことを重視していますか? ちなみに弊社での採用で一番重視していることは「素直さ」と「勤勉さ」です。これは、弊社の企業文化がそこに重点をおいたものになっているからに他なりません。いま自社にある文化や、これからつくり上げたいと考えている文化を中心に採用基準を決めるのも有効かもしれません。