私たちについて
経営者は、「自由を手に入れている人」なのでしょうか?
さまざまな企業の課題をお聞きし、その解決に向けて力を尽くす日々の中で、私はそんなことを考えるようになりました。創業者であれ、代替わりをした社長であれ、自身の意志で会社を経営していることには変わりはないはずです。
初めて会う人に対して「社長」と名乗ったり、「会社を経営している」と自己紹介したりすると、あたかも自由を謳歌する人生の勝ち組であるかのように持ち上げられる――。経営者なら、そんな経験をしたことがある人も多いと思います。
しかし、実際はどうでしょうか。そもそもは「自分らしい人生を手に入れるため」に会社を起こしたはず。それにもかかわらず、顧客獲得に奔走し、売り上げ拡大に追われ、ときには組織の崩壊にも見舞われる。これでは何のために独立したのか分かりません。
もしかすると、自由とは最も対極にある存在が経営者なのか――。そんな思いにとらわれることだってあるかもしれません。
■ありとあらゆる業種の企業に共通する悩み
経営者はもっと個性的に、自分らしく、自由に会社を経営していくべきだと思います。中小企業であればなおさら。
私はこれまでに、ブレインマークスの事業を通じて中小企業経営者向けの研修やコンサルティングに数多く携わってきました。そこでいつも感じるのは、「日本全国の経営者が、同じ問題を抱えて苦しんでいるんだな」ということです。
・社員が熱心に働いてくれない
・やる気の人材が集まらない
・ナンバー2の社員が突然やめてしまった
といった「人材・組織」に関する問題。
・会社の将来像が見えてこない
・会社がまとまらない
・仕事に追われて休みが取れない
といった「マネジメント」に関する問題。
・思うように売り上げが上がらない
・資金繰りに追われて仕事に集中できない
・価格競争に見舞われ業績が落ちている
といった「業績」に関する問題。
世の中にはありとあらゆる業種の企業があり、さまざまな経歴を持つ経営者がいます。しかし不思議なことに、どんな会社であっても、経営者が抱える悩みは上記のようなものに集約されてくるのです。
■年商1億円を超え、3億円を超えて「このままではいけない」と立ち止まる
こうした悩みは、なぜ生まれてくるのでしょうか。それを考えていくと、経営者の根源的な「思い」に行き当たります。
「どうすれば会社の規模を拡大させながら、持続的に成長していけるのだろうか?」
「収益性はもちろん、組織としての“人間性”も両立させながら経営するには何が必要なのか?」
それを考え続けるからこそ悩みが生まれてきます。
会社を立ち上げたばかりの頃はまだ、そんなことを思う余裕はなく、あるいは必要性を感じることも少ないものです。とにかく前を向いて、自分自身がトッププレイヤーとなって進んでいけば済むから。
しかし会社が少しずつ成長し、人を採用して「組織」になっていくと、いつまでも自分がトッププレイヤーであるだけでは限界があると気づきます。年商1億円を超え、3億円を超え……。そんな規模になってはじめて、「このままではいけない」と立ち止まる経営者にもたくさん出会ってきました。
■日本経済の将来のためにも、経営者は変わらなければいけない
厄介なことに、悩みは概ね共通しているのに、そして同じような思いを抱いて会社を経営しているのに、具体的な解決策を持っている人は多くはありません。
だから経営者は、その答えを探して研修に参加したり、書籍を読み漁ったりしています。それでもなかなか見つからない。もしくは見つかっても行動に移せないままでいるのです。
そんな経営者の姿を目の当たりにした若者たちは、憧れとは程遠い存在として認識し、「起業なんてするものじゃないな」と考えるようになってしまうかもしれない。変化とイノベーションが強く求められる日本経済の将来のためにも、この状態を変えなければいけません。
経営者は、最初の頃に抱いていた「自分らしい人生を手に入れる」という思いを捨てるべきではないのです。そのためには、個性的に、自由に会社を経営するための能力と知識、そして情報が必要です。
ブレインマークスのブログでは、それらの情報を積極的に届けていきます。それが、多くの経営者にとって、「自分らしい人生を手に入れる」きっかけとなれれば幸いです。
(安東邦彦)