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2024.10.03

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社員と健全な危機感を共有する方法

株式会社ブレインマークス

社員と健全な危機感を共有する方法

今回のテーマは「社員と“健全な危機感”を共有する方法」です。先日クライアントの経営者の方から「近年、新規顧客獲得数が減り続けているにも関わらず、マネジャー達に危機感があるように見えません。どうすれば経営者と同じ危機感を、社員にも持ってもらえるでしょうか」というご相談をいただきました。

私たち経営者としては、責任感を持って部門をけん引してほしいからこそマネジャーに任命しているのに、危機感がないのを見るとがっかりしてしまいますよね。

私自身も試行錯誤の繰り返しではありますが、どうすれば社員に危機感を醸成できるのか、実体験も含めてお伝えしていきます。

■危機感の違いはどこから生まれるか

社員やマネジャーの危機感が低いことに対して「社員の能力が低いからだ」と片付けてしまうのは簡単です。しかし、本当にそうなのでしょうか。

経営者と社員で危機感の持ち方に違いが生まれる大きな要因のひとつは、「情報量の違い」です。

私たち経営者は、常日頃から会社全体のあらゆる情報を把握しています。部門毎の売上、利益率、人間関係など会社の状況を把握し、危機感を持つために必要な情報量を持っているからこそ会社の未来を予測でき、正しい健全な危機感を持てるのです。どれだけ経営者が口酸っぱく「このままだと会社がやばいぞ」と訴えても、社員からすると証拠を見せられているわけではないので「また経営者が怒っている」という印象にしかならないのでしょう。そこに健全な危機感は生まれません。

また、売上だけは開示している経営者も多いのですが、業績が伸びても利益が減っていることもよくありますよね。そういう面は売上だけを見ているだけではわからず、結果として「まあうまくいっているんじゃないの」と楽観的な思考で終わってしまいます。

このような事態を避けるためにも、会社全体の業績や数字、利益などの共有が必要だという点は、ご理解いただけるのではないでしょうか。

■知識の教育が必要

そして、もう一つ忘れてはいけないのが「知識の教育」です。健全な危機感を持ってもらうためにも、研修などで会社の状況を把握する知識を与えてあげることはとても大切です。

たとえばブレインマークスでは毎月、財務のコンサルタントに来てもらい、年間計画や1ヶ月の予実管理、決算予想などについて社員が勉強できる機会を設けています。参加している人たちは、繰り返し学ぶことで少しずつ数字に対する抵抗感がなくなっていき、数字をベースに思考を巡らせるようになってきました。これは教育の賜物であるといえるでしょう。

数字の見方を教えて会社の状況をしっかりと理解してもらい、これから会社としてどうすべきなのかを考えるトレーニングを繰り返すことで、健全な危機感は醸成されていくのです。

■恐れずに情報の開示を

このような情報共有・開示のご提案を聞いて、困惑した方もいらっしゃるのではないでしょうか。

「数字を公開してしまったら、こんなに儲かってないのかと思われて愛想を尽かされないだろうか」「利益が出ているのを見たら、もっと給与をくれと言われるのではないだろうか」という不安が出る人もいるでしょう。

私自身もそういった不安はゼロではありませんでした。しかし、経営者だけで情報を囲い込んでいたら、健全な危機感を持つ社員を育てていくのは難しいのだろうと感じます。

会社の状況を把握して「何とかしよう」と自分たちで行動を変えていき、その結果、利益が上がるのが数字として見えると、だんだんと数字と日常の業務が連動していきます。

つまり、会社が掲げている理念やビジョンに向かって、この会社を自分たちが動かしているのだと体感してもらえるようになるのです。

■本日の結論

このように、会社の運営が「経営者だけのゲーム」ではなく、「数字を知っている皆のゲーム」になることが最も大事なのだと思います。

まずは危機感を共有できるだけの知識を与え、会社の「良い時」「悪い時」の情報を共有してみてはいかがでしょうか。きっと、社員が経営者と同じ視点で、会社を見るきっかけが生まれるはずですよ。

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