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今回のテーマは「なぜ、あの社員は課題が見つけられないのか?」です。
クライアントの方より「最近、社内の課題解決力に差を感じています。できれば全社員に会社成長のための課題解決をしてほしいのですが、どうすればいいでしょうか」というご相談をいただきました。会社の成長のために進んで課題解決をする社員もいれば、目の前の業務の課題解決に留まってしまう社員もいるというのです。
もどかしさを感じるお気持ち、よくわかります。社員間で課題解決力に差が出るのは何故なのか、そしてどのように対応していけばいいのかについて、お話していきましょう。
今回のご相談のように社員間での課題解決力に差が出てしまっているのは、そもそも「視座」が異なっているためです。
例えば経営者は会社全体を俯瞰しているため、見つけられる課題も「会社の成長に影響があるもの」「解決すれば会社としてのレベル向上に繋がるもの」になります。しかし視座が自分個人の人は「今、自分に影響を与えている課題」しか見つけられません。ご相談内容にある「目の前の業務の課題解決に留まっている人」も自分しか見えておらず、視座が低い状態にあると言えるでしょう。
このように、それぞれ「どの位置から課題を見ているか」が異なるため、社員全員で会社全体の課題解決を行うのは至難の業なのです。
それでは、どのようにすれば視座が上がるのでしょうか。私が見てきた限り、視座が高いのは「上を見ている人」だと思います。「こういう人になりたい」と上を見ているからこそ、自分よりレベルの高い人と積極的に関わり、物の見方などを学ぼうとするのです。
一方、そもそも向上心がなく視座が低い人は、自分より下の人たちと関わろうとします。そのような人に「視座を高めなさい」と言っても、なかなか難しいことです。
課題解決力が低いと感じる社員がいる場合、その社員は視座を上げようともがいているのか、それとも向上心がないのかを見極めてみましょう。前者であれば、どのような物の見方をすればいいのか、積極的にアドバイスしてあげてください。
個人の意欲に左右されてしまう以上、視座のレベルが社員間で異なってしまうのは、ある意味で仕方のないことです。そのため我々経営者は、その人の視座に合った仕事の任せ方をしていかなければなりません。
私たち中小企業は、レベル以上のことを社員に求めてしまいがちです。しかし意欲が低い人に対して能力に見合わない仕事を任せるのは、本人にとって苦しいだけでなく、経営者にもフラストレーションになってしまいます。
任せたい仕事のレベルに見合う視座の社員がいないのであれば、外部に委託するというのもひとつの方法です。視座を高めるのは簡単なことではないため、そのような選択肢も考慮しつつ、組織づくりをしていくようにしましょう。
経営者が求めるレベルの課題解決力がないのは、その社員の視座が低いためです。しかし視座を高めるのは、一朝一夕でできることではありません。社員全員に高いレベルを求めるのは難しいことで、中には視座を高める意欲がない人もいます。
大切なのは、視座を高めようと努力している人にはアドバイスをしてあげつつ、社員それぞれのレベルに合った仕事を任せるように配慮していくこと。時には外部パートナーに頼ることも考えつつ、社員全員を活かせる組織づくりをしていきましょう。