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今回のテーマは「学生気分から抜け出せない新卒をどうするか?」です。
先日クライアントの方から「今年から新卒を採用したのですが、入社から1年近く経っても学生気分のままです。もう少し積極性や責任感を持ってほしいのですがどうアプローチしたら良いのでしょうか」というご相談をいただきました。学生から社会人へのスイッチングって難しいですよね。経営者側からすれば1日でも早く頭角を顕してほしいところ。ではどのようにアプローチしていけばいいのでしょうか。
そこで今回は「新卒に対するマネジャー側の3つの掟」についてお伝えしていきます。
学生気分といっても様々な症状があります。今回は「自分から積極的に働きかける感覚がない状態」と定義して考えていきます。
学生と社会人は感覚が180度違います。学生の頃は「先生の教え通り学び」、「バイトは店長に言われたことを守り働き」、「家庭では親の言いつけを守る」ことが良い子とされます。つまり、「子どもの頃は受け身である方が良い」と教育されてきたのです。
ですが社会人になると突然、受け身ではなく自分から働きかけることが求められます。積極的に仕事を掴んでいかないと周りに差をつけられてしまうサバイバルレース。そんな環境にいた経験がないので、当然なかなか慣れることができないわけです。とはいえ、社会人の頼まれごとは「試されごと」。受けた仕事を言われるままやるだけでは更に責任のある仕事をもらうことはできません。
新卒社員にはこの学生と社会人の感覚の差を埋めてもらう必要があります。
少しでも早くこの感覚の違いをなくしてもらうには「働きかける」経験の場を用意することが重要です。どんなに小さな業務でもいいのでリーダーを任せましょう。優秀な人材であればこれだけで自主性を発揮します。一方で初めての経験に苦戦するメンバーも当然います。その際は新人育成の3つのポイントを実践してください。
まずひとつ目は挑戦を応援するスタンスでいること。新卒社員は当然、右も左もわからないままやってきます。そんな中でチャレンジをするというのはかなりハードルが高いこと。しかし、失敗して学ぶことはたくさんあるので、それを前向きに捉えられる雰囲気づくりを行うのが重要です。
ふたつ目はよっぽどのピンチ以外は「手出し」はしないこと。お客様に多大な迷惑をかける場合でなければ、こちらからリカバリーをしてあげるのではなく、自分でできるよう見守りましょう。全てこちらからカバーしてあげてしまうと「誰かに助けてもらえる」という受け身の感覚のままになってしまう可能性があります。
3つ目は迷走しそうな時は、目的・ゴールに立ち返る「問い」を投げかけること。若い頃はやり方ばかり気にしてしまいがち。やり方よりも「何のためにやるのか」、「どんな成果をあげたいのか」という思考こそが重要なので、それを問い続けるフォローが必要です。やり方をその場で教えるのは簡単ですがそれでは成長が遅くなってしまいます。しっかりと自分自身で思考できるよう辛抱強く見守る忍耐力が重要ですね。
新卒社員を1から育てていくのはとても大変です。しかし、育成が成功すれば新入社員ほど会社に愛着を持ってくれる存在はいません。じっくりと育てる価値は充分にあると思います。
ちなみに、新卒社員が最も成長する要素のひとつに「後輩」の存在があります。私も、後輩が入った途端に「先輩としての自覚」が生まれた社員を何人も見てきました。新卒の成長を後押しするには後輩を入れるのも有効ですよ。