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今回のテーマは「ルールを守らない社員にお困りの社長へ」です。
「営業スタッフが働きやすくなるためのルールをつくっても、『このままが一番やりやすくていいじゃないですか』と守ろうとしない人がいます」というご相談をいただきました。直接的な反抗はないにしても、いつも適当に済まされるというのです。
この問題は、どこの組織でもありがちなことですよね。特に営業とバックオフィスなど職種が分かれている組織ほど連携のためにルールを作り、それを守る・守らないという問題が出てきてしまいます。
何故ルールを無視する社員が出てきてしまうのか、その理由と対策についてお伝えしていきます。
一体何故、決められたルールを守らないのか。その一番の原因は、ルールをつくる目的が明確に伝わっていないことにあります。
ルールという言葉を聞くと、どこか窮屈で面倒なものというイメージを持っている人は多いのではないでしょうか。例えば、昨今問題になっている校則。下着の色や前髪の長さなど、およそ学校生活や学習に関係のない、理不尽な校則も多く存在していますよね。そしてそれをチェックする教師側も、ルールの意味や目的を理解しておらず「校則だから」という理由だけで厳しく取り締まります。このような目的不明のルールほど、煩わしさを感じるものはありません。
しかし、明確な目的があってつくられたルールであれば話は別。それを守ることによって得られる利益や効果があるからこそ、ルールをつくって運用するわけです。ルールを守らない社員に困ったときには、まずその意味や目的をしっかり伝えることから始めてみてはいかがでしょうか。
目的を伝えてもあまり響いていない場合は、ルールづくりに巻き込むことも効果的です。例えば営業とバックオフィスのスムーズな連携を考えるプロジェクトに、ルールを守らない人を入れます。そして自分たちでルールを考えてもらうのです。
ルールを守らない人の多くは、それを人から押し付けられたものとして煩わしさを感じているケースが多いです。しかし自分たちで決めたルールであれば、意味や目的は本人が一番理解しているはず。だからこそルールを守ろうとするし、周りにも守ってもらうように働きかけるでしょう。
トップダウンではなく、社員自身にルールをつくらせることで、自分たちが決めたルールに愛着が持てるのではないでしょうか。
ここまで対策をしても、ルールを守ろうとしない人は一定数います。その場合はどうすればいいのか。最終手段は、人事評価に入れることです。
人事評価は、給与や賞与に紐づきます。つまりルールを守らないと、その分の収入が減るのです。社内にルールを守らない人がいると、真面目に守ってやっている人はどうしても不公平感を感じてしまいます。しかしルールを守る人をしっかり評価して、守らない人は評価を落とすように評価制度を整えれば、この不協和音も避けることができるのではないでしょうか。
ただしはじめにお伝えしたように、これは最終手段です。いきなり実行すると不満の種になってしまうので注意しましょう。
ルールというものは、運用する側がその目的を明確に認識していなければなりません。ルールを守らない社員がいる場合、何のためのルールなのか、その目的をしっかり伝えてください。それでも目的を理解してもらえない場合は、どのようなルールであれば納得して運用できるのか、自分たちで考えてもらいましょう。
それでも守らない場合は、強制力のある人事評価制度を最終手段として使うという、3つのステップで取り組んでいただくと、少しずつルールを守ることが浸透していくのではないでしょうか。