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今回は、書籍「ポジショニング戦略」を、中小企業の事業拡大に活かす方法についてご紹介します。
著者はアル・ライズとジャック・トラウト。ともにアメリカのマーケティング戦略家であり、現代マーケティングの第一人者として知られています。本書では「商品をどのようなポジションに置くのか」こそが、情報化社会のマーケティングにおいて最も重要であると解説しています。
私たち中小企業が事業を拡大するために、ポジショニング戦略をどのように活用していけばよいのか、いっしょに考えていきましょう。
まず、ポジショニングとは何なのでしょうか。
ひと言で言えば、「消費者の頭の中に商品を位置づけること」を指します。
私たちはとにかく、消費者の頭の中に入っていかなくてはいけません。そのためには何よりも「一番であること」が重要です。なぜなら消費者は基本的に、一番しか覚えていないからです。
たとえば「日本で一番高い山は?」と聞かれたらほとんどの人が富士山と答えられますよね。しかし「二番目に高い山は?」と聞かれても答えられる人は少ないでしょう。「一番目」は人の頭の中に確固たるポジションを築きますが、「二番目」はなかなかポジショニングされません。
つまり「お客様の頭の中で一番になるためには、どういうポジションに立つべきなのか」を考え抜くことこそが、マーケティングにおいて非常に重要になってくるのです。
このような考え方は、「コンセプトメイキング」ともいえます。
では、どのようにコンセプトをつくればいいのか、ブレインマークスで考えてみましょう。
・「社長が3ヶ月不在でも・・・」といえばブレインマークス
・「30人以下の中小企業…」といえばブレインマークス
・「経営を仕組み化する」といえばブレインマークス
このようになれば、ブレインマークスのポジショニングは成功したといえるでしょう。
私たち中小企業にとって大切なのは、自分たちのコンセプトを一番のポジションに普及させていくことです。小さなマーケットを狙い、マーケットを絞れば絞るほど、一番になる可能性が高くなっていきます。
「地域で一番」「業種で一番」「この商品で一番」というように、小さなマーケットで一番をとることを徹底的にこだわっていきましょう。
また、未開拓分野を探すことも重要です。
「サイズ」に特化したiPod、「高価格」に特化した高級ビール、「年齢」に特化した子ども用歯磨き粉・・・ほかにも「性別」「時間帯」「販売経路」など、さまざまな特化のしかたがあります。
いずれにせよ、事業を成功させるために必要なのは、「小さな分野で一番になれる場所を見つけること」だといえるでしょう。
私たち中小企業は、大企業と同じマーケットで戦っても勝つのは難しく、思うように価値を提供できません。それよりも大企業が狙わない小さなマーケットにある、深いニーズに目をつけましょう。そこで困っているお客様の悩みを、ピンポイントで解消することで一番になるのです。
ぜひこの本を読んで、ご自身の会社が一番になれるマーケットはどこなのか、考えてみてはいかがでしょうか。
きっと、事業を拡大するためのヒントを得られるはずですよ。