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今回のテーマは「売れ続ける商品のつくりかた」です。先日、経営者の方から「最近、売れ続ける商品をつくる難しさを実感しています。安東さんは売れ続ける商品とそうでない商品の違いはどこにあると思いますか」とご相談をいただきました。売れ続ける商品をつくりたいというのは経営者として誰しも思うことですよね。ただ、時代変化と共に、売れる商品の種類が変わってきているのもおそらく実感しているのではないでしょうか。「売れ続ける商品をつくるポイント」とは何なのか、お伝えしていきます。
皆さんも肌で感じているように、時代の流れに伴って売れる商品は刻々と変化しています。
たとえば市場の拡大期は「プロダクトアウト」と呼ばれ、企業の都合や思いで商品を提供し、消費者に伝えれば売れていきます。戦後の高度経済成長期、つまりモノがどんどん消費され人口が増え続けている時期がこれに当たります。
それが市場の成熟期になると、「マーケットイン」に移行します。
ここでは拡大期を過ぎ、消費者がある程度モノを持っているため市場全体の需要がバラけてきます。そうすると消費者の声を聴き、市場全体が欲しいモノを提供することが求められるため、企業は市場の要望に合わせて商品を開発・提供・提案するようになってくるわけですね。
さらに市場の飽和期を迎えると「カスタマーセントリック」へと変遷します。
これは消費者1人1人に着目し寄り添い、ニーズを深掘りし顧客側がカスタマイズできる商品を提供する時期であり、顧客満足度の向上が求められるようになっていきます。
ここでお伝えしたいことは、意外と「マーケットイン」ではなく“この商品を売りたい!”と「プロダクトアウト」の感覚でビジネスをしている人が非常に多いということです。
たとえばカフェが何十軒もあるエリアに新しくカフェを出店するとしましょう。この場合、競合が多く、逆に需要は少ないため大幅な顧客獲得は見込めそうにないですよね。
でも市場調査して、そのエリアに全くない牛丼店や餃子店を出店したとしたらどうでしょうか。競合がおらず顧客が望んでいる店舗ができるため、商売はうまくいきやすいというのは何となくイメージできますよね。
売ろうとするから売れない、つまり「マーケットイン」もしくは「カスタマーセントリック」という考え方でビジネスをつくっていないから結果的に苦労してしまう。ここに気づいていただければと思います。
商売の本質はお客様の不満足・課題を私たちが商品やサービスを通じて解決していくことにあります。それに加え、数多いる競合とは違うポジションでつくっていくことも重要です。
これをやるだけで、貴社の商品はきっと、全く違ったものになっていくはずですよ。
売りたい商品を売ろうとするのではなく、まずはお客様の課題を解決していく。この視点から、ご自身のビジネスを再設計してみてはいかがでしょうか。