コンサルティング
コロナ危機の真っ只中を体験し、私が痛感したのは、
「世の中の中小企業にとって真に役立つ存在となるために、ブレインマークスにはまだまだ足りないものがある」
ということでした。
新型コロナウイルスが中小企業にもたらしたものは、これまでに経験したことがない規模の急激な変化と危機です。
多くの企業が売上減少に苦しみ、中には残念ながら看板を下ろさざるを得なくなってしまったところもあります。
そんな現実と向き合ったときに、ブレインマークスにはまだまだ足りないものがあると感じたのです。
大切なクライアントと働いている人たちの役に立つために、本当に困っている企業の力になるためには、私たちは労務や法務、税務といった領域の専門性も身につけていかなければならないと思っています。
企業によっては、そもそもの事業の根幹が揺らいでいるというケースもあるかもしれません。
こんなときだからこそ、自社がやってきたことは何なのか、その意味を問い直さなければならないと思うのです。
まずは、今が紛れもなく有事であるということを理解しなければいけません。
「現状を維持しなきゃ」と思えば思うほど、経営者はどんどん疲れてしまうからです。「有事なのだから現状は維持できない」と考えて割り切ってしまったほうが楽になれるはずです。
その上で、この有事が終わるタイミングを見定めることが大切です。
専門家の意見を見ていると、「夏前には収束」「1年はかかる」など、さまざまな説があります。確かなのは「誰も先々の状況を完璧に見通すことなどできない」ということ。
経営者としては、楽観論にも悲観論にも振り回されるわけにはいきません。
私自身は今、3段階のシナリオを想定しています。
グッドシナリオで進めば夏前には収束するかもしれません。もう少しかかるとすれば9月頃。バッドシナリオでは、12月〜2021年の初頭にかけて影響が続くかもしれません。
12月までこの状態だとするなら……。
あまり考えたくはないかもしれませんが、最悪の事態まで想定すれば、今何をしなければいけないのかも見えてきます。
多くの人が外出自粛を余儀なくされ、解除後の今も、今までどおりとはいきません。このような状況が長く続いてしまった場合、どのようなコンサルティングが求められるのか。
バッドシナリオで事態が展開したことを想定し、私が考えているのは、クライアントのBCP(事業継続計画)を支えるコンサルティングサービスです。
今回のような感染症の拡大、地震や台風などの自然災害、さらには2008年のような世界的金融危機など、企業はさまざまな緊急事態に備えて行動計画を策定する必要があります。
経営基盤や資源に乏しい中小企業はなおさらのこと。
危機を経験した今だからこそ、適切なBCPを構築する必要性を痛感している経営者も多いでしょう。
そうした方々にコンサルティングを提供していくためには、まず私たち自身がBCPのガイドラインを作り、運用していく必要があると思っています。
向こう3カ月この状況だとしたら? あるいはそれが半年、1年続くとしたら?
そうやって考えていくことで、私は視野が広がりました。失うものがある一方で、新たな可能性も広がるはずだとポジティブに考えているのです。
4月以降、ブレインマークスでは未曾有の危機に苦しむ中小企業のために、さまざまな無料オンラインセミナーを開催しています。
今は有事の真っ只中にある。だけど、絶対に活動を止めてはいけない。
そんな思いをメンバーとも共有し、自分たちができることに一歩ずつ取り組みながら、コロナ収束後の新たなビジネスモデルを描いているところです。
あなたの会社にも、新たな可能性は芽吹いているのではないでしょうか。
▼【「危機を乗りきる社長」のマインドセット】の過去記事はこちら
(安東邦彦)