■成長企業視察レポート(3) 〜「離職率0%で急成長」を続ける越境EC企業
こんにちは! ブレインマークスの今泉です。
日頃私たちが関わっている成長企業についてお伝えする「成長企業視察レポート」。今回は、注目が高まる「越境EC」の事業を推進する株式会社デジタルスタジオ様(東京都港区)をご紹介します。
代表取締役・板橋憲生さんは、ソフトウェア開発を独力で学び、25歳でデジタルスタジオを創業しました。「日本を世界に伝える」をコンセプトに掲げ、ITを駆使して日本製品の魅力を海外に発信し続けています。
国境を超えて商品を流通させ、ファンを増やしていく「越境EC」。魅力ある商品を世界に広めたいが、言語は違うし、どうすればいいか分からない……。これは多くの中小企業の課題でした。
デジタルスタジオはその課題を解決すべく、自社開発したネットショップASP「Live Commerce」と、商品を海外展開するためのECモール「DISCOVERY JAPAN」を運営しています。
拡大していく市場に対応するため、同社では「集中と選択」の考え方に則って事業を絞り、スタッフの役割分担を明確にしました。さらに「一人ひとりがスペシャリストを目指す」という文化を醸成。個人の力を結集して企業価値を最大限に発揮できる体制を作っていったのです。
そのためにはまず、会社の理念が浸透していることが不可欠。採用の際には社長自身が理念を語り、日頃はスタッフとのランチミーティングを定期的に行うなどコミュニケーションの機会をたくさん作りました。
毎年開催している「経営計画発表会」では、社長が「行動計画や経営計画に反した行動を私が取った場合は言ってください」とスタッフに宣言。意見があった場合には、1週間以内に返事をすることを約束しています。
こうして語りかけ、行動していくことによって、スタッフが「個人の夢や目標」を「会社の夢」と重ね合わせ、全力でチャレンジするようになっていきました。
一人ひとりがスペシャリストとなれるよう、教育にも惜しみない投資を続けています。プログラミング経験がまったくなかったパート入社のスタッフも、3年間で制作現場の最前線で活躍できるようになりました。
また、努力するモチベーションを維持するため、「何か問題が発生したときにはその解決を最優先する」という方針を徹底。社長や役員がお客さまと打ち合わせをしている最中でも、スタッフの困りごとを解決するために駆けつけます。
業務効率を向上させるため、社長を含めた全スタッフの仕事の状況をデジタルで共有する取り組みも実施。
これらの活動によって同社の生産性が大きく高まり、同時にスタッフがプライベートの時間を大切にできるようになりました。家事や育児と両立するメンバーも無理なく活躍できるようになり、過去3年間、1人の離職者も出していません。
どんなに成長性のある市場であっても、スタッフを大切にし、一丸となって成果を出していく仕組みがなければ、企業としての成長は望めません。デジタルスタジオの取り組みは、それを真正面から教えてくれる事例だと思います。