今回のテーマは「仲間の給与が気になる?!給与トラブルが減らないワケ」です。先日、クライアントの方から「社員との給与トラブルについて相談させてください。先日賞与の支払いを行なったのですが、古株のメンバーがそれに不満を抱いているようなのです。どこかで他のメンバーの賞与額を聞いたらしく、“自分の方が古株なのに、あの人の方が多い”と愚痴をこぼしていたそうです。賞与額の差は私なりに理由はあるのですが…。その不満のせいか、最近では私の言う事も聞きません。どのように対処すれば良いでしょうか?」というご相談をいただきました。
社員同士で給与を教え合って社内がギクシャクする・・・。これはよく起こる問題なので、対策を考えておきたいですよね。今回は、私の経験も交えながら、社員同士の給与トラブルを未然に防ぐポイントについてお伝えしていきます。
私が色々な会社を見てきて思うのは、努力した人を正しく評価する制度が不可欠であるということです。「頑張った人が抜擢される」「優秀な人は出世が早い」。このような体制を会社が率先して整備していかなければ、優秀な人材からやめていきます。
例えば、全然働かない古株社員の給与が上がっていくと、頑張っている社員は嫌な気持ちになるでしょう。でも、「あの人の給与が上がったよ」と聞いても、その人の働きぶりや成果に見合っていれば、「あの人ならそうだよね」と受け入れる気持ちになりますよね。
転職者の7割は、「公平な人事制度がないこと」を理由に転職を決めているのだそうです。優秀な人材に残ってほしいと思うのであれば、社員にとって納得感の高い給与決定・評価のルールを設計し、かつ、そのルールを明確に周知する教育が大事だと私は考えています。
ただし、私はインセンティブや歩合スタイルの給与制度はあまり好きではありません。
それをしてしまうと、個人主義に寄っていってしまうんですよね。たとえ秀でた個人がいたとしても、必ずそこには「その個人を支えている人たち」がいることを忘れてはなりません。
まずは、ベースとして生活給を支給しながら、その人の頑張りと努力、成果に合わせて「昇給昇格が早い」「ボーナスが多い」という形をとる方が公平であり、チームとしても高い成果を出せるのではないでしょうか。
今回ご相談をくださった方は、大変な状況にいらっしゃるのでしょう。しかし、給与の上下について明確に説明できるようになると、経営者の大きな自信になります。そして何より、社員同士の関係も良くなっていきます。
まずは賞与決定の基準決めと、社員への周知教育に着手してみてはいかがでしょうか。きっと社内トラブルが減り、会社全体の士気も上がるはずですよ。