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2025/02/06

営業が強い会社をつくる思考法

営業が強い会社をつくる思考法

今回のテーマは「営業が強い会社をつくる思考法」です。

先日、経営者の方から営業マンの育成についてご相談をいただきました。

「弊社はかなりの営業会社で、優秀な営業マンの獲得が事業成長の肝となっています。優れた営業マンを自社で育てられれば最高なのですが、どんなに育成してもなかなか優秀といえるレベルに到達せず……やはり営業は才能なのだと痛感させられるばかりです。何か現状を打破する方法はありませんか?」

経営者が納得できるレベルの営業マンを、納得できるだけの人数確保するのは本当に難しいですよね。弊社のクライアントにも、「営業マンの力量に個人差がありすぎる」「若手営業がなかなか育たない、すぐ辞めてしまう」など、ご相談者様に似たお悩みを持つ経営者が大勢おられます。

実は、私自身もかつて同じように、営業スタッフの獲得・育成に苦心していました。しかし、ある時から思考方法がガラリと変わり、今では営業マンの力量に頼らず成約率を上げられるようになったのです。今回はその思考法について、経験談も交えながらお伝えします。

■売れない理由は、トップセールスマンにある?

先述の通り、私も以前は「営業には才能が必要」と考え、才能ある人を採用するための仕組みづくりに力を入れていました。しかし、仕組みの成果が出たのはある一定のラインまで。やはり、才能ある人ばかりを次々に採用するのは現実的ではなかったのです。

状況改善の一手はなかなか見つからず、次第に業績が伸び悩むように。ままならない現状に、「事業拡大は諦め、小規模路線を選ぶべきなのだろうか」と思い悩んでいました。そんな折に、あるご縁で出会ったコンサルタントの方から「貴社の営業力が強くならない理由は、安東さんにある」と提言を受けたのです。

「安東さんは経営者であると同時にトップセールスマンで、難しいお客さんでも契約をとれる営業力がある。社員の皆さんも、安東さんのように営業力を上げることばかり考えている。ここに落とし穴があります」

「なまじ安東さんが売ってしまうために、『売れないのは営業力の問題』という思い込みが生じ、商品の欠点が見えなくなっている。会社を成長させたいなら、営業力を上げる努力だけではなく『商品を売りやすくする努力』もいります。安東さん以外でも売れる商品をつくるべきなのです」……

この話を聞いて、私は「なるほど!」と目から鱗が落ちる思いでした。そしてこの時以降、私は「どうすれば営業力を上げられるか」ではなく、「どうすれば営業の難易度を下げられるか」について考えるようになったのです。

■営業の難易度を下げるために

極端な話ですが、顧客が営業マンに出会う前に契約の意思を固めていれば、営業マンの才能や技量に関係なく商品は売れていきます。これは、営業の難易度が限りなく低い状態と言えますね。この状態を実現するためには、自社の商品を顧客にとって「他社とは違う、特別な商品」「なくてはならない商品」にしなくてはなりません。

また、「商品の見せ方やポジショニング、紹介の切り口を変える」「マーケティングに力を入れ、新規開拓・啓蒙のプロセスを強化する」といった取り組みも、売りやすさを高めて営業難易度を下げることにつながります。

こうした努力をすることは、「才能ある営業マンなら売れる」状況を「普通の営業マンでも売れる、才能ある営業マンならすごく売れる」状況に変えていくということ。これは、まさに「営業が強い会社」にほかなりません。

つまり、営業が強い会社をつくるためには、「商品の差別化」や「売りやすい仕組みづくり」に注力し、営業の難易度を下げる思考が必要なのです。

■本日の結論

もちろん、採用や教育によって営業力を上げる努力が不要というわけではありません。しかし、営業マン一人ひとりの才能や力量だけに依存しては、成果の再現性を担保できなくなってしまうのもまた事実。だからこそ、私たち経営者には「営業力」と「売りやすさ」を同時に高めていく思考が求められるのです。

採用や教育によって営業力を底上げしつつ、売りやすい商品、売りやすい仕組みづくりにも力を入れていく。ぜひこのように、営業力と売りやすさの相乗効果で事業を発展させていただければと思います。

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