今回のテーマは「新たな仕事を拒否するスタッフの対処法」です。先日クライアントの方から「ここ数年、業績が横ばいです。私が打ち出す戦略やアイデアを、スタッフがなかなか理解してくれません。新しい仕事を依頼すると、“自分の仕事はここまでです”“それはあっちの部署の仕事じゃないですか”と言ってくるのです。私としては色んな仕事にチャレンジすることで、自分の成長に繋がると思うのですが、どうすればスタッフに伝わるのでしょうか。」というご相談をいただきました。
自分で仕事を制限する人は、どの会社にも少なからずいますよね。一見わがままに見えるかも知れませんが、実はそうとは言い切れないのです。
今回は、仕事を拒否する社員の心理と対処法をお伝えしていきます。
戦略を立て、突き進むのが好きな経営者は、他社の成功事例を聞くと、社内ですぐ実行したいと考える人も多いのではないでしょうか。しかし、それをスタッフが拒否して、実行を断念したという話は少なくありません。
社員が仕事を拒否したり、壁をつくるのはなぜなのでしょうか。
それは、自分でコントロールできないことが怖いからです。たとえば、「業務が自分のレベルを遙かに超えている」「休日返上しなければならない量の業務を任される」「慣れない業務で失敗ばかり続く」・・・。こんなことばかりが続くと、誰だって怖いですよね。責任感がある人ほど、業務を抑えようと考えるのです。
大切なのは、まず経営者自身が社員に対して「コントロールできない未知の物は怖いのだ」と理解することです。
そして、社員にどのように仕事を任せていくかを考え、マネジメント力を上げていくことがとても重要です。
社員が仕事を拒否するのは、安心感がないからです。安心感を持って業務に取り組むには、こちらが「仕事の目的」「求めるクオリティ」「期日感」を伝えた上で「あなたならやれると思うけどどうかな?」と交渉し、建設的な仕事の依頼をしていくと良いでしょう。
それを怠り、経営者本位で仕事を次々に投げてしまうと、社員からすると「社長は思いやりがない」となるのです。業務量を把握せず、感謝もない。やって当たり前だと思われる。これでは、仕事を拒否したくなるのもムリはありません。
仕事を任せる側が、社員に配慮をして依頼をしていくことは不可欠です。その上で拒否する社員には、「なぜ拒否をするのか」をしっかりヒアリングしていきましょう。仕事を任せる側も、任せられる側も歩み寄ることで、組織の実行力は確実に上がっていきます。
経営者が社員を理解し、歩み寄る姿勢を見せることで、自ずと社内の雰囲気が変わっていきます。今回ご相談いただいた方も、まずは社員の心理を知り、ご自身のマネジメントを少しずつ変えていってみてはいかがでしょうか。仕事の任せ方を変えるだけでも、組織全体の実行力は変わるはずですよ。がんばってくださいね。応援しています。