今回は、書籍「自分を変える1つの習慣」を、中小企業に活かす方法をご紹介します。
著者はロリー・バーデン。「習慣の力(セルフ・コントロール)」をテーマにしたストラテジストであり、売上高数百万ドル規模の国際的企業・サウスウエスタン・コンサルティングの共同設立者です。
本のタイトルにある「1つの習慣」とは、「習慣の力を実践し続けること」です。中小企業が成功するために、経営者や社員一人ひとりが実践すべき習慣とは何なのか、一緒に見ていきましょう。
この本には、自分を変えるために習慣化すべき法則が、7つ紹介されています。
①パラドックスの法則(犠牲)
この法則は、小さな選択の積み重ねこそが、成功を呼ぶことを示しています。目の前の楽を選ぶ人は、長期的に見ると困難が起きます。一方で、目の前の苦労を買ってでもする人は、長期的に見ると楽といえるでしょう。つまり、成功している人は、将来のために現在を犠牲にすることができるのです。
毎日、このような判断のわずかな違いが、やがて長期的な成功を生み出します。
②先行投資の法則(決意)
人は、何かに多くを投資すると「(これだけ投資したのだから)失敗したくない」という思考が働き、頑張ろうとします。言い換えると、今いる場所で手を抜くのではなく、自分のすべてをなげうって徹底的に頑張ると決意して、行動することで成功に近づいていくのです。
③拡大の法則(集中)
一つのことに集中すると、大きなパワーが生まれます。何かうまくいかないときは、1つのことに最大限のエネルギーを集中してみましょう。たとえば、落ち込んだならば歌ってみる。自信がないのなら、力強く話してみる。先が見えないのなら、自ら道を切り拓いてみる。
こうやって何か1つの行動に集中することで、現状を変えていくことができるのです。
④創造の法則(言葉)
この法則では、「思考を現実化する言葉の使い方」について解説しています。ありとあらゆることは、「考える⇒言葉にする⇒現実化する」のプロセスを辿ります。言葉は、私たちの行動に大きな意味とエネルギーを与えます。つまり、使う言葉によって行動が決まり、現実をつくりあげていくということですね。
たとえば、不用意な言葉・ぞんざいな言葉を使うと、「あなたの信頼が失われる」というように、言葉の使い方で、現実が変わっていきます。
⑤収穫の法則(計画)
ここでは、適切なタイミングで2倍の努力をする大切さが書かれています。たとえば、農家は1年中働き詰めというわけではなく、収穫の時期に1日18時間ほど働いて、1年分の収入を得ています。
つまり、成功するために重要なのは十分頑張ることではなくて、適切なタイミングで頑張れるかどうかなのです。そして何より、いつが適切なタイミングなのかを見極める力も大切ですね。
⑥長期的視点の法則(信念)
どんな失敗も、長期的に見れば必ずプラスになります。だから一つひとつの失敗に心揺らぐのではなく、失敗を受け入れて今の自分にできるベストを尽くしていくことが大切です。
結果を出すことも重要ですが、全力を尽くせたかどうかがポイントです。
⑦振り子の法則(行動)
これは、「私たちの信念は、言葉に表れるのではなく、行動に表れる」という法則です。何をすべきかを知っていても、それを行動に移さないのであれば、それは理解していることにはなりません。
あなたが実際に考えや言葉だけでなく、行動を変えたとき初めて、信念を体現したということになるでしょう。
繰り返しになりますが、タイトルにある「1つの習慣」とは、「習慣の力を実践し続けること」です。優れたパフォーマンスを出すために、今回ご紹介した7つの法則を習慣にして、実践し続けることこそが、あなたがうまくいくための最大の法則といえるでしょう。
まずは、この本を読んで成功するための法則を知っていただき、社内全体で習慣化するにはどうすれば良いのかイメージをしてみてはいかがでしょうか。きっと、会社が成長するきっかけになるはずですよ。