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2025/01/16

リーダー育成に必要な5つの視点:後編

リーダー育成に必要な5つの視点 後編

前編では、リーダー育成に「ゴール設定力」「改善習慣」「人材活用力」「人材育成力」「課題解決力」の5つの視点が求められることをお伝えしました。リーダーの力を磨くためには、これらの視点に基づいた「教育の仕組み」をつくることが大切です。

前編では、5つのうち「ゴール設定力」と「改善習慣」を育てる仕組みづくりについて解説しました。引き続き、「人材活用力」「人材育成力」「課題解決力」を育てるための仕組みを考えていきましょう。

■人材活用力を育てる仕組み

人材活用力とは、チーム内の役割分担を明確にし、適材適所の人材配置をする力のことです。ここでは、育成ツールとしてリーダーMAP(組織図)を活用します。

リーダーMAPとは、簡単にいえば「組織内にどんなチームがあり」「どんな機能があって」「それぞれの機能の責任を誰が担っているか」を可視化した図のことです。このリーダーMAPを活用し、リーダーに下記のような手順でチーム内での役割分担を考えてもらいましょう。

まずは、チームにあるすべての機能をMAP上に洗い出します。次に、それぞれの機能を任せる人材を配置する。ここでは、業務量の偏りを防ぎつつ、一人ひとりの特性(強み・弱み)を考慮した配置を行う必要があります。

「この人にはこんな強みがあるから、〇〇を任せよう」「この人はトレーニング中だから、育成のために〇〇を任せてみよう」。このように思考をめぐらせ、配置の効果を検証しながら試行錯誤を重ねると、次第にメンバーの特性を活かした適材適所の配置ができるようになっていきます。

■人材育成力を育てる仕組み

人材の育成とは、「こんな人材になってほしい」という理想と、現在とのギャップを埋めていくことです。そして、リーダーの人材育成力を高めるためのツールには、キャリアアップ制度(人事評価制度)が挙げられます。

そもそも、メンバーが目指す理想(目標)があやふやなままでは、現状とのギャップを分析できず、成長のための指導も行えません。このとき、理想像を掴んで課題を知るための助けとなるツールがキャリアアップ制度です。

弊社では、【理念・コアバリューの体現】【コンピテンシー(行動特性)の体現】【目標達成】の3つの視点に基づき、ステージごとの達成基準を明確に定めたキャリアアップ制度を運用しています。そして、リーダーはこの制度を指導の手がかりとして活用し、チームメンバーの成長支援を行っています。

メンバーは、キャリアアップ制度の達成基準を目安に目標を立てて行動する。リーダーは、制度を目安に目標修正や課題の分析を行い、定期的な1on1を通じて成長をサポートする。このように、キャリアアップ制度をベースにPDCAを回す仕組みをつくれば、メンバーの成長とリーダーの人材育成力向上を両立することができるのです。

■課題解決力

組織の未来に直結する課題解決力の教育は、弊社も力を入れて取り組んでいる分野のひとつです。ここでは、ツールとして「どのような手順で課題を解決するか」を表したフレームワークを活用します。

チームリーダーは、発生型課題(マイナスの解消が目的)と設定型課題(プラスをもたらすのが目的)の両方に取り組む必要があります。そして、以下にご紹介するフレームワークは、発生型と設定型どちらの課題にも有効です。

【課題解決のフレームワーク】

  1. 【1】どんな状態になれば「解決」または「理想の状態」といえるのかを明確にする
    【2】1で明確にした理想像と、現状とのギャップを洗い出し、課題を明確にする
    【3】以下の3つの視点に基づき、課題を分解する
  2. ①掛け算の分解 例:売上は「顧客単価×顧客数×リピート」で成り立つ。課題があるのはどこか
    ②足し算の分解 例:売上は、「既存顧客+新規顧客」や「A業種+B業種+C業種」に分解できる。課題があるのはどこか
    ③プロセスの分解 例:売上には、「見込み顧客の発掘」「ナーチャリング」「成約」「リピート」のプロセスが関わっている。課題があるのはどこか
  3. 【4】分解した結果をもとに改善案を出し、実行する

このフレームワークを活用すると、「そもそも理想像があやふや」「課題の分解がうまくできていない」といった「課題解決を妨げている課題」も明らかになり、より具体的で効果のある対策を考えられるようになります。

フレームワークに沿ってトレーニングを繰り返し、課題解決力すなわち「課題を分解し、とるべき対策を明確にする力」を伸ばしていきましょう。

■本日の結論

教育の仕組みにおいて成果を担保するためには、「基盤となるツールを活用して教育する」視点が大切です。

今回ご紹介したツールについては、弊社の他の動画やブログ記事でもしばしば話題に上げています。ぜひ、それらも参考になさりながら、リーダーが力を伸ばしていける教育の仕組みを構築してみてください。

手間も時間もかかる取り組みではありますが、貴社の組織力を大きく高めるきっかけとなるはずですよ。

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