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今回のテーマは「部下が急速に伸びる思考法」です。先日クライアントの方から「ここ数年、伸び悩んでいる社員がいます。誠実で真面目な人柄で一生懸命行動をしますが、考えが浅いのです。成果が出ない行動を何度も繰り返したり、ミスしたことを改善しきれていません。指摘すると“気合を入れ直します”と反省はするのですが…。どうしたら考えを深めていく指導ができますか?」というご相談をいただきました。このような人材は、後から伸びていくことが多いものです。もしかすると、いま伸び悩んでいるのは、正しい思考法を知らないだけかもしれません。
今回は、部下に伝えたい「課題解決の思考法」についてお伝えしていきます。
真面目な人材ほど、問題に直面したとき「解決するぞ!」と意気込んで、行動・行動・行動・・・の繰り返しになりがちです。これは、思考整理ができていない状態です。まずは「自分はどういう状態になりたいのか」を言語化し、「何によって伸び悩んでいるのか」を明確にすることが重要です。
営業の社員にたとえて、お話ししてみましょう。
月10件訪問して、5件の成約が理想とされている中で、この社員は成約2件です。
2.ギャップを生み出す理由を見つける
理想と現実のギャップは3件。このギャップを生み出す要因を考えるのですが、その際に自分だけで考えるのではなく、先輩や、既に理想を達成している人物にアドバイスをもらいに行くと良いでしょう。
3.3ヶ月の行動を決める
思考整理して「私はこれができていないのだ」とわかったら、それができるようになるために「3ヶ月間何に取り組むのか」を、自分以外の人と一緒に設定しましょう。
4.3ヶ月後、振り返りをする
3ヶ月行動してみたら、数値を使って事実を確認します。たとえば、成約数が2件から4件に上がったとしたら、理想まであと1件となります。
5.これから3ヶ月の行動を決める
あと1件成約数を伸ばすために、この先3ヶ月ですべきことを考えます。今回うまくいった要因、うまくいかなかった要因を洗い出し、ギャップを埋めるための適切な行動を計画し、実践してみましょう。
1~5を繰り返し、PDCAを回すこと。
とてもシンプルですが、物事がうまくなるプロセスはこれ以外にはないと、私は考えています。
今回ご紹介した思考法は、仕事のあらゆる課題解決に適応できます。
大切なのは、「どうすればギャップが埋まるのかを考えること」に時間を使うことです。伸び悩んでいる社員の方にも、調査や勉強、洞察などギャップを埋めるために思考することの大切さを伝えてみてはいかがでしょうか。それを実践すれば、この伸び悩みから抜ける瞬間が必ず訪れます。
方法としては「先輩に聞く」「本を読む」「セミナーに参加する」などが挙げられます。逆に、このポイントを知らないと「うまくいかないのは気合いの問題」などと誤解して、行動だけを繰り返してしまう。それでは、永遠に現状から抜け出せません。
ぜひ、「ギャップを埋めるために時間と労力を使えば伸びる」という思考法を、伝えていただきたいと思います。
該当の社員の方は、元々誠実で行動ができる人材です。まずは思考法を伝え、伴走してあげてみてはいかがでしょうか。きっと、一度コツを掴めば自分自身でPDCAを回し、思考も行動も深めていけるようになるはずですよ。彼が大きく成長する姿を、見られる日が楽しみですね。