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今回は書籍『ウォートン・スクール ゲーミフィケーション集中講義』を中小企業に活かす方法についてご紹介します。
ウォートン・スクールは、1881年に全米で最初に設立されたビジネススクールです。本書の著者は、このウォートン・スクールの教授でもあるケビン・ワーバック氏とダン・ハンター氏です。
本書では、ビジネスにおいてゲーム要素やゲームデザイン技術を導入することで、組織を良い方向に進ませる具体的な方法が分かりやすく解説されています。どういうことなのか、内容の一部をご紹介していきましょう。
ゲーミフィケーションとは非ゲーム的文脈でゲームデザイン技術を用いること、つまりビジネスにゲーム的な楽しさを取り入れることによって、社員のモチベーションを引き出そうということです。
ビジネスにゲーム的な要素を取り入れる理由は、大きく分けて次の3つです。
1.ゲームがあれば、学習はドラッグになる
2.ゲームに熟達するために、プレイヤーは実験を繰り返す
3.ゲーミフィケーションは机上の空論ではなく現実社会で取り入れられており、効果も出ている
実はナイキ、アメリカン・エキスプレス、マイクロソフト、サムスンなどの名だたる大手企業がゲーミフィケーションを活用していて、実際に良い結果が出ているそうです。
このゲーミフィケーションを活かす要素として、「PBL」というツールキットがあります。それぞれの詳細は次の通りです。
ポイント(P):何か成果が出た際にポイントを付与する。
※ポイントの使い方
・効果的にスコアを記録する
・勝敗がある場合、勝った状態を表す
・ゲームの報酬と外的報酬とを結びつける
・フィードバックを提供する
バッジ(B):プロセスの中で何かを達成したことを視覚的に表すもの。ユーザー個人のアクティビティの記録になり、ステータスシンボルの裏付けや裏付けにもなる。
リーダーボード(L):各プレイヤーのポイントを表示したボード。仲間と比較した時の自分の立ち位置が確認できる。
ゲーミフィケーションをビジネスに活かすのは、実はそこまで難しいことではありません。
例えば弊社を例に挙げると、ハッピーカードや1%改善習慣に対してフィードバックや報奨金があるのも、ゲーミフィケーションのひとつです。さらにキャリアパスはリーダーボードそのもので、各々の立ち位置が分かるようになっています。
また弊社では実施していませんが、営業成果のグラフを書くのもリーダーボードです。これは日本の企業でもよく見かけるものなので、ゲーミフィケーションを自然と取り入れている企業はたくさんあります。
このように、ゲーミフィケーションは日常に溢れています。それをノルマとしてではなく全員で楽しく実践することで、社員のモチベーションが引き出せるのです。
ゲーミフィケーションは、ビジネスのなかにゲーム的な要素を取り入れることで、社員が目標を達成するためのモチベーションを引き出す取り組みです。
ゲーミフィケーションを経営に取り入れるのは決して難しいことではなく、どんな会社でも、さまざまな形で導入できます。気になる方はぜひ本書を手に取って、ゲーミフィケーションについて詳しく学んでみてください。組織の活性化に、きっと役立つはずですよ。