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2024.10.24

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社員の「キャパシテイ」どうやって測る?

株式会社ブレインマークス

社員の「キャパシテイ」どうやって測る?

先日、クライアントから”社員の生産性”についてご相談をいただきました。いつも遅くまで残って仕事をしている割には、今一つ成果が上がらない社員の方がおられるのだそうです。

「他の社員に比べて、特に仕事量が多いわけではありません。最近では、成長も止まってしまっているようで……要領が悪いのでしょうか。安東さんなら、このような社員にどうアプローチしますか?」

いわゆるパンクやキャパオーバーの状態に陥り、生産性を上げられなくなってしまった社員。恐らくあらゆる経営者にとって非常に身近であり、かつ悩ましい問題ですね。

私もまた、改善のために奮闘している経営者のひとりです。同じ課題に向き合う当事者同士として、ぜひご一緒に対策を練らせていただければと思います。

さて、社員がパンク状態に陥ってしまう原因には、主に以下のようなものが考えられます。

  • 業務適性の不足
  • 能力的キャパシティの不足
  • 心理的キャパシティの不足

まずは社員本人を観察して原因を見つけ、改善に取り組んでいきましょう。

■業務適性を見極めよう

キャパオーバーを起こしている社員を見つけたら、まずは業務適性の有無を見極めてみてください。もし、その社員が適性のない仕事を任されているのであれば、配置そのものを見直す必要があるためです。

業務適性がないとは、その人の強みを生かせない仕事や、苦痛を感じるような仕事を任されているということ。こうなると当然、「時間もパワーも使っているのに成果は出ない」負の状態に陥ってしまいます。

同じリソースを割くならば、適性のない仕事よりも強みを生かせる仕事のほうが、より大きな成果を出せるのは明白ですね。本人のためにも、会社の生産性アップのためにも、適性にマッチした分野への配置転換を行いましょう。

■能力的キャパシティを見極めよう

業務適性に問題はないが、求められる成果の質とスピードは実現できていない。このような場合は、その人の能力に対して業務量が多すぎる可能性があります。

ここで注意したいのは、「能力的なキャパの大きさ(こなせる仕事の量)は、人によって違う」「キャパの大きさと、やる気の有無はあまり関係がない」という点です。たとえ他の社員なら問題なくこなせる業務量だったとしても、それを理由に本人を責めるのは不毛だということですね。

能力を高めて仕事の量を増やしていくためには、パンク状態を解消することから始めなければなりません。まずは一定のゆとりを持てる程度まで業務量を減らし、質と速さを担保できるようになってから、少しずつ能力向上のPDCAに取組んでみてください。

■「心のキャパ」にも注目しよう

時には、業務適性もあり、能力も備えている社員が、不安や焦りからキャパオーバー状態に陥ることもあります。

このような「心のキャパオーバー」に対しては、仕事を整理して心のゆとりを保つための教育が役に立ちます。具体的には、週単位・月単位でのスケジュールの組み方や、仕事の優先順位のつけ方といった、セルフマネジメントの指導を行うとよいでしょう。

こうお伝えすると、「そこまで教える必要があるのか?」と、疑問に感じる方もおられるかも知れません。しかし、セルフマネジメントの力は、自己流の学びだけでは身に付きづらいのも事実です。その参考例として、弊社の実例をご紹介します。

実は私自身も、初めは「こんな初歩的なことまで教えなければならないのか……」と、若干の億劫さを覚えていました。ところが、実際にスケジュール管理などの教育を実践してみたところ、若手から中堅以上まで幅広いメンバーから「仕事が楽になった」「残業が減った」と喜ぶ声が上がったのです。

一人ひとりの心理的負担が減った結果、会社全体のキャパシティを底上げできたということですね。私にとって嬉しい誤算であったと同時に、基礎から教えることの重要性を実感させられた出来事でした。

■本日の結論

才覚あふれる経営者であればあるほど、キャパオーバーを起こす社員にもどかしさを感じるかも知れません。また、業務量を減らしたり、基礎の基礎とも思えるような教育にリソースを割いたりすることに、抵抗感を覚えることもあるでしょう。

しかし、初歩から段階を踏み、着実に社員のキャパを広げていくことこそが、結果的には生産性アップの近道になるのではないでしょうか。

まずは社員の現状をよく見て、キャパオーバーの原因を見つける。そして、その原因をありのまま認めて、配置転換や業務量の調整といった対策を行う。手間と時間のかかる取り組みではありますが、ぜひチャレンジしていただければと思います。

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