自己評価の高い社員をどうすればいい? | 中小企業の経営コンサルティングならブレインマークス
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2024.09.26

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自己評価の高い社員をどうすればいい?

株式会社ブレインマークス

自己評価が高すぎる社員

先日、「自己評価の高い社員に悩んでいます」というご相談をいただきました。ご相談によると、その社員の方は勤続10年のベテランスタッフなのだそうです。

「最近ミスが増えてきたので仕事のやり方を修正するよう指摘したのですが、『私はできています』と話を聞いてくれません。それどころか『こんなに頑張っているのに何がダメなんですか』と逆ギレする始末です」とのことでした。

その方は、できていない事実を指摘すると拗ねるか、もしくは「それなら辞めます」と辞職を盾にするそうです。ご相談者の方は、「本質的に悪い人というわけでもないので、本当に辞めてもらうのも躊躇して……」とお困りの様子でした。

自己評価の高いタイプの社員には、私も何度も遭遇しています。高すぎる自己評価の原因には、「単に楽観的すぎる」「現状を変えさせまいとしている」など様々なものが考えられますが……ベテラン社員で、かつ逆ギレや「辞めます」発言が目立つという今回のケースは、恐らく「本当は自分に自信がない」タイプに該当するのではないかと思います。

そこで今回は、「自分に自信がなく、その裏返しで自己評価を高くしてしまう」社員への対処法をお伝えします。

■高すぎる自己評価は、「認められたい」の裏返し

このタイプの人が「自分はできている」と言い張る背景には、周囲から承認されることへの飢餓感や、”できていない自分”を認めることへの拒否感があります。

自己肯定感が低く、ありのままの自分を認めることができない。それ故に、”私はできている”と自己暗示をかけ、その暗示を補強するような要素ばかりを注視することで、できない自分を受け入れる不安から逃れようとしているのです。

このように、自分に都合のよい情報ばかりを信じ、そうでない情報は軽んじてしまう現象を、心理学では「確証バイアス」といいます。

今回ご相談いただいた社員の方も、「こんなに頑張っているのに誰も認めてくれない、分かってくれない」と不満を募らせ、それを社長にぶつけているのでしょう。ある意味では、甘えているとも言えますね。しばしば辞意を口にするのも、「辞めないで」と引き止められることで気持ちが満たされるからかも知れません。

このような状態の社員と向き合うのは負担が大きいため、次第に弱腰になり、話し合いを避けてしまう上司や経営者も少なくありません。しかし、放っておけばおくほど、ますます状況は悪化していきます。いよいよ辞めてもらわざるを得なくなる前にきちんと話し合うことも、経営者の責任のひとつではないでしょうか。

■感情で立ち向かわず、冷静に向き合う

それでは、具体的な向き合い方について考えてみましょう。

承認に飢えて感情的になっている社員に対して感情をぶつけ返しても、お互いに傷つくばかりで問題は解決しません。ここでは、その人の人間性に向き合い、「認められたい」という気持ちに寄り添いながらも、しっかりと”事実”を伝えることが大切です。

まずは1on1ミーティングの場を設け、「あなたにきちんと向き合いたいし、成長してほしいと思っている」と伝えたうえで、その方の現状について丁寧にフィードバックしてみてください。

その人にはどんな能力があり、どんなことができていて、どんなことができていないのか。当人が”できている”と思っていることを、経営者はどのような理由で”できていない”と判断したのか。こうした事実を分かりやすく伝えながら話し合い、当人の自己評価と経営者から見た評価のズレを正していくのです。

あるいは、話し合いを重ねるうちに「実は、苦手な分野の仕事や実力以上の仕事を任されていた」など、ミスが増えた原因が見つかるかも知れません。このような場合は、仕事量を減らす、得意分野の仕事に切り替えるといった方向に舵を取り、落ち着いて仕事に集中できるような環境を作るのもまた、経営者の手腕のひとつです。

一度や二度の話し合いで問題が解決することはまずありませんし、恐らく経営者は反発の感情を浴びて苦しい思いをすることになるでしょう。しかし、人を雇う以上は、こうした問題を避けて通ることはできません。

まずは、冷静に誠実に、じっくりと時間をかけて向き合ってみてください。道を分かつ選択について考えるのは、それからでも決して遅くありません。

■本日の結論

自己評価の高い社員は、どんな会社にも必ず現れます。問題をこじれさせないためには、放っておかずに早い段階からケアとメンテナンスを行っていくことが大切です。

まずは、社員一人ひとりに向き合う場を設ける。そして、多様な人の在り方を認めながらも経営者の意思を伝え、それぞれが活躍できるような方法を考えていく。大変な取り組みではありますが、社員も会社も健やかに成長していける未来のために、ぜひチャレンジしていただければと思います。

 

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