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先日、歯科医院を経営されているクライアントからこんなご相談をいただきました。
「医院を大きくしたいと思い、これまで数々のセミナーや講座で勉強してきました。本もたくさん読んでいます。しかし、いつも変わり切れないのです。自分自身も医院の状態も、理想とはかけ離れています。勉強しすぎたせいか、最近は何をすればいいのか分からなくなってしまいました。この状況から抜け出すためには、どうすればよいのでしょうか」
勉強しすぎるあまり、かえって何をすればよいのか分からなくなってしまう。このような悩みを抱える経営者は、想像以上に多いものです。
恐らくご相談者の方は、現状が変わらないことへの不安から「もっと勉強しないと」と感じておられるのではないでしょうか。しかし、失礼を承知で申し上げれば、現状のまま勉強を続けても、医院の成長には繋がらないかも知れません。
そこで今回は、学びを行動に活かし、会社を成長させていくためのヒントについてお伝えします。
学びを活かして行動を変えるために、まず取組んでいただきたいこと。それは、学びや行動の先にどんな組織を実現したいのか? という、「目的」の部分を明確にすることです。
学ぶことはゴールではなく、あくまでも「会社の成長」という目的を実現するための”手段”です。いくら知識を仕入れても、行動に反映しなければ会社の成長には繋がりません。そして、学びを行動に活かすためには、目的を明確にすること――つまり、経営者が思い描く『成長した会社』の姿を、できるだけ具体的に描くことが必要なのです。
ご相談者の方の場合は、「歯科医院を大きくしたい」が学びの目的でした。その「大きくしたい」という言葉を掘り下げて、目指したい組織の姿を詳しく言語化してみてください。
どれくらいの規模の、どんな強みを持った医院になっているのか。どんな院内文化のもとで、どんなスタッフがどのように働いているのか。どんな患者さんに、どのように喜ばれているのか……このように、理想の組織の情景を、さまざまな角度から具体的に描くのがポイントです。
理想の組織像を描けたら、それをもとに、事業マネジメントや採用・教育のマネジメント、組織マネジメントといった経営の現状を一つずつチェックしてみましょう。すると、理想と現状のギャップが分かり、自社の成長を妨げている課題が掴めます。
そして、課題が明らかになれば、改善のために取るべき行動や、そのために学ぶべき知識もはっきりします。目的を明確にして必要な情報を取捨選択すれば、「何をすればよいか分からない」状況を解消できるということですね。
理想の組織像を描いて自社の課題を洗い出しても、現状持っている知識だけではすぐに行動できないこともあるかも知れません。そのような時は、再び講座やセミナーで勉強するというよりも、コンサルティングを受けてみることをお勧めします。
講座やセミナーの場合、開講する側が負うのは「知識を提供する責任」までであり、「その知識を活かして行動し、結果を残すかどうかの責任」は100%受講者側に委ねられます。また、半年や1年などの短期型コンサルの場合も、概ね同じことがいえるでしょう。
一方、3年や5年といった長期スパンのコンサルティングは、提供するサービスの中に「結果に対する責任」を内包しています。知識を教えることではなく、課題の改善方法を見つけ、結果を出すまでを価値にしているということですね。
私たちブレインマークスも、クライアントの課題解決に責任を持ち、課題の発見と改善に全力で取り組んでいます。結果が芳しくなければ徹底的に原因を探し、クライアントと共に責任を持って改善に取り組む。このように、一緒に責任を持つ覚悟で伴走してくれる長期型のコンサルを受けるのも、確実に行動を変えるためのひとつの手段ではないでしょうか。
勉強熱心な方ほど、インプットを止めることに抵抗感があるかも知れません。それでも、できれば勇気をもってインプット活動を一度ストップし、そのエネルギーを「目的の明確化」と「課題の発見」に充ててみてください。
まずは理想の組織像を明確にし、その実現のために知識を得て行動を起こす。このように、インプットをアウトプット(行動)に変える流れを作れれば、しっかりと組織を成長させていけるのではないかと思います。