仮面社員が抱える課題とは | 中小企業の経営コンサルティングならブレインマークス
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2024.09.05

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仮面社員が抱える課題とは

株式会社ブレインマークス

仮面社員の課題

先日、クライアントから”仮面社員”に関するご相談をいただきました。ある社員の方から、「僕は会社とプライベートで人格を分けています。プライベートでは全く違う性格です」と言われたのだそうです。

「経営者としては、正直複雑な気持ちです。しかも、その”人格の切り替え”のせいなのか、その社員に対してとっつきにくい印象を持っているメンバーも少なくありません。このままでよいのかどうか悩んでいるのですが、安東さんはどう思われますか?」

まずは、ご相談ありがとうございます。社員からわざわざ「会社では人格を分けている」などと言われたら、経営者としては戸惑いますし、寂しさも感じてしまいますよね。

この方について何らかの対処を考えるかどうかは、”人格を分ける”発言の真意によっても変わってくるのではないでしょうか。そこで今回は、社員が「仮面」をかぶる理由や、その背景にある課題を解決する方法について、私の考えをお伝えします。

■「人格を分ける」発言の真意は?

はじめに、社員が仮面の人格を演じる理由を考えてみましょう。まずは、その社員の方を観察し、「人格を分けています」と発言した背景を探ってみてください。

もし、その方が単に”プロとしての自分とプライベートの自分を使い分けている”という意味で「人格を分けている」と言ったのであれば、あまり気を揉む必要はないでしょう。むしろプロ意識のあらわれとして、ポジティブに捉えることもできるかも知れません。

そもそも、仕事とプライベートの切り替えに対する考え方は人によって異なります。
個人的には、仕事とプライベートを対立させるような価値観には否定的なのですが……ともあれ、プライベートと仕事を分けて考える人がいること自体は、自然なことではないかと思います。

問題なのは、その方が”本当の自分なんて、ここでは見せませんからね”と牽制する意味合いで「人格を分けている」と発言した場合です。この場合は、何らかの対策を講じたほうがよいでしょう。なぜなら、その発言の裏には、会社に対するマイナスの感情が隠れている可能性があるからです。

■防御策としての「仮面」

弊社でも、過去に幾度かこのような「仮面社員」との出会いがありました。去っていった人もいれば、次第に素顔を見せてくれるようになった人もいますが……いずれの人にも共通していたのは、「恐れ」から仮面を被っていたという点です。

「親しくなったら、仕事を押し付けられるのではないか」「素の自分を見せたら、否定されるのではないか」このように、素顔を見せることに対する不安や恐怖感があるから、防衛策として仮の自分を演じているということですね。

こうした恐怖感は、単なる思い込みである場合もあれば、その人の過去の体験に基づいて生じている場合もあります。いずれにしても、「素顔を見せたら悪いことが起きる」と不安を抱いた状態では、業務で高いパフォーマンスを発揮することは難しいのではないでしょうか。

そして、恐怖にかられて仮面の人格を演じるのは、本人にとっても苦しいものです。本人のためにも、プロとしてしっかりと活躍してもらうためにも、経営者は「ここ(会社)は安心できる場所ですよ」というメッセージを発していく必要があるでしょう。

■まずは、横のつながりを

とはいえ、経営者が直接「リラックスして」と語りかけても、恐らくあまり効果は見られないかと思います。人は総じて、自分より上とされる立場の相手には心を開きにくいもの。その点は仕方がないと割り切って、まずは社内での”横のつながり”を作ることに注力してみてください。

たとえば弊社では、「カルチャー委員会」「環境整備委員会」など、直属の業務とあまり関係のないシーンで周囲と関われるような仕組みを作っています。また、部署やチームの垣根を越えてさまざまな人とコミュニケーションを取れるよう、定期的に社内カルチャーについてディスカッションする場も設けています。

こうした仕組みを通じてコミュニケーションを促し、上下関係ではない横のつながりを築いていく。すると、恐怖感を抱いていた社員の方も「この会社は安心できる」という実感を得て、少しずつ肩の力を抜いていけるのではないでしょうか。

■本日の結論

安心できる会社といっても、あまりに親密すぎる関係を築いてしまうと、かえって不具合が生じることもあります。目指すのはあくまでもビジネスパートナーとしての信頼関係であると考え、緊張感と心地よさのバランスが取れた環境を作ることが大切です。

まずは、本人がどのような背景のもとで”仮面”を被っているのかを見極める。そして、もし仮面の原因が恐怖感であったならば、それを取り除いて信頼関係を築くための取り組みにチャレンジしていただければと思います。

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