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2024/08/08

社員を大切に思えない。経営者失格でしょうか?

社員を大切に思えない。経営者失格でしょうか?

今回のテーマは「社員を大切に思えない。経営者失格でしょうか?」です。

先日、ある経営者の方から”社員に対する気持ち”についてご相談をいただきました。「社員を大切にすること」について学び、その重要さを理解したにも関わらず、どうしても“社員を認めること”や“ほめること”に抵抗があるのだそうです。

「離職も多いですし、社員に『社長は結局私たちのことなんか考えてないですよね?』と言われたこともあります。もっと社員と良好な関係を築けるよう自分を変えたいのに、抵抗があって変われません。私は経営者失格なのでしょうか」

勇気をもってご相談いただき、ありがとうございます。こうしたお悩みは誰にでも起こり得るものですから、どうかご自分を責めないでいただければと思います。

今回は、自己変革に関する私の考えを、体験談も交えながらお伝えします。ぜひご一緒に状況を整理して、ゆっくりと解決の糸口を探っていきましょう。

■ステップ1  ~「抵抗がある」の正体を探る~

大前提として、やはり「社員が長く定着してくれないと、会社が上手くいかない」のは事実です。社員全員を好きになったり、過剰に親密になったりする必要はないにしても、ビジネス上のパートナーとして信頼し、一人ひとりを尊重しながら接する姿勢は求められるでしょう。

とはいえ、経営者も一人の人間です。社員を大事にしたほうが良いと理屈では分かっていても、「嫌だ」と感じてしまう瞬間はありますよね。そのようなときは、「その”嫌だ”という感情は、そもそもなぜ生じているのか」を深掘りしてみてください。

ご相談のケースでは、「社員を認めたり、ほめたりすることに抵抗がある」とのことでした。

実は、このような漠然とした抵抗感の背景には、「社員を信じられない、信じるのが怖い」という気持ちが隠れていることが多いのです。

以前の私も同じように、社員に対する負の感情に悩んだことがありました。そして、その背景を深掘りしてみたところ、負の感情の裏に「目を離したらサボるのでは」「気を許したら、自分の利益ばかり求めてくるのでは」という不信感があることに気付いたのです。

言い換えれば、「社員=信用ならない」という固定観念を抱いていたということですね。

このように、抵抗感や拒否感の背景を深掘りしていくと、自分が社員に対して無意識に抱いている価値観や固定観念が見えてきます。それでは次に、その価値観が本当に正しいものであるかどうかを見直してみましょう。

■ステップ2 ~価値観を見直してみる~

無意識の価値観や固定観念が作られた背景には、往々にして「過去の経験」が絡んでいます。たとえば、先述のような「社員は信用ならない」という観念の裏には、「手塩にかけて育てた社員に裏切るような辞め方をされた」といった、経営者としての苦い体験が潜んでいることが少なくありません。

しかし、それはあくまで「その人がそうだった」だけの話であり、全ての社員がそのように不誠実な行動をとるわけではありませんよね。このように、「過去の体験を全体化していないか」という視点で考えてみると、自らが抱いている価値観の偏りに気付くことができます。

また、かつては社会通念や常識とされていた考え方も同様に、無意識の価値観となって社員への見方を歪めてしまうことがあります。たとえば私の場合は、「男ならバリバリ稼ぐべき」「信頼関係を築くなら、プライベートの話や飲み会などで親密になるべき」といった古い価値観が、社員との関係悪化に繋がってしまったことがありました。

社員に対する負の感情や価値観の押し付けは、たとえ口に出さずとも伝わってしまうものです。すると、社員からも良くない反応が返ってきて、経営者はますます孤独に陥ってしまう。だからこそ、偏った価値観や思い込みによって社員を判断していないか、じっくりと振り返ってみる姿勢が大切なのです。

■本日の結論

長年の経験で培われた価値観を一気に変えるのは、やはり難しいものです。しかし、焦らずに少しずつ取り組めば、必ずより健全な方向に自分を調整していくことができます。それは、社員との関係改善の第一歩になるだけでなく、自分自身の気持ちを楽にすることにも繋がるでしょう。

まずは、感情の奥底にある価値観を探ってみる。次にその価値観を見直し、もし偏りがあるならば調整を試みる。時間のかかる取り組みですが、「変わりたい」と考えておられるご相談者の方にはきっとできるはずです。

こうして発信している私もまだまだ、少しずつ価値観を調整しながら発展を試みている最中です。ぜひ皆さんも、会社とご自身のよりよい未来に向けて、少しずつ自己変革にチャレンジしていただければと思います。

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