今回のテーマは「部下が次々辞めるマネジャーをどうする?」です。
クライアントの方より「仕事もできるし会社にも貢献してくれている女性マネジャーに部下をつけると、ことごとく辞めてしまいます。本人は自分にも他人にも厳しいタイプで、追い詰めてしまうようです」というご相談をいただきました。
このマネジャーは、相手の弱みを指摘するタイプなのかもしれませんね。私はマネジャーには大きく分けて4つのステージがあると思っています。まずはそのステージについて説明してきましょう。
私が考えるマネジャーのステージとは、次の4つです。
ステージ3:強みに集中させるマネジャー
ステージ2:弱みを指摘するマネジャー
ステージ1:弱みを指摘しないマネジャー
ステージ0:部下の手柄を奪うマネジャー
ステージ0は論外として、問題なのは「弱みを指摘しないマネジャー」です。「頑張っているから」とプロセスだけを見て、成果を見ない。言いにくいことは見て見ぬフリをして、自分が嫌われないように努めているだけです。このようなマネジャーがいると、組織全体のレベルが下がってしまいます。
今回ご相談いただいたマネジャーは、ステージ2に該当すると思います。「相手の成長のために弱みの指摘すること」がマネジャーの仕事だと信じているタイプですね。「弱みを克服させることがマネジャーの仕事」と誤解しているのではないでしょうか。
弱みの克服を強いると、人は次第に疲弊してしまいます。そうなると弱みの克服どころか、良さを発揮できないまま退職することになりかねません。弱みを把握することは大切です。しかしその克服を強いるのではなく、強みに集中させるのがステージ3のマネジャーなのです。
このマネジャーにステージ2からステージ3へとステップアップしてもらうためには、まずは部下をよく観察して強み探してもらうように伝えてみましょう。特技というほどのものでなくても「これなら苦労せずにできる」というもので構いません。例えば単調な仕事が苦にならないとか、0から1を生み出す仕事が楽しめるとか、必ず何かひとつはあるはずです。
そしてそれを見つけたら、強みを活せる仕事を少しずつ任せていきます。そうすれば部下も生き生きと成長していけるでしょうし、マネジャーもステージ2からステージ3へとステップアップしていけるはずです。
誰にでも、得意・不得意はあります。不得意を完全に無くすことは難しいため、いかに得意を伸ばしていくかに目を向ける方が効率的で健全でしょう。
弱みやダメなところばかりを指摘しあう組織には、まとまりがありません。そして人が短期間で辞めてしまいます。しかし社員の個性を把握して強みを活かそうとしている会社は、社員の定着率が高い傾向にあります。
そのため、まずは経営者が率先して社員の強みを見つけて、それを活かせる場を考えてあげることが大切です。そうすれば、マネジャーやその下の社員にも、お互いの個性を認めて活かしていく流れができあがっていくのではないでしょうか。
マネジャーの仕事は、決して「弱みを克服させること」ではありません。それぞれが自分の持ち味を発揮できるようにマネジメントすることです。できない部分を指摘してどうにかしようとするのではなく、できることに着目して、それを活かす体制を考える。マネジャーにこの意識が根づけば、社員の定着率も上がるのではないでしょうか。
そのためにも、まずは経営者自らがマネジャーの個性や強みを見るように意識することが大切です。そうすれば、その流れが組織全体に広がっていくはずですよ。