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今回のテーマは「ビジョンを描くのが苦しい社長へ」です。
先日クライアント様から「ビジョンを書いてみようと思ったのですが、これまで将来像をあまり考えたことがなかったので苦しいです。何か考えるコツはありますか?」というご相談をいただきました。ビジョンを作ってみようとされるのはとても素晴らしいことですね。相談者さんに限らず、ビジョンを描くのが苦手という経営者はとても多いです。私自身、苦しい思いをしました。
そこで今回はビジョンを描く上での考え方についてお伝えしていきます。
ビジョンを作るお手伝いをしている私ですが、かつて自身のビジョンを描こうとしたとき納得するものができるまで半年近くかかりました。このとき私を苦しめていたのは「本当に実現できるのか?」と考える現実的な自分です。
理念として掲げた夢が大きく理想的であればあるほど「現状からどうやって実現させるんだ」と考えてしまいます。現状から実現する未来を想像するのは難しく、できない理由をたくさん思い浮かべてしまうのです。
ではどのように考えていけばいいのでしょうか。コツは無責任に考えること。実現できるかどうかは考えなくていいのです。
実現までの道筋がわかっていれば、それはビジョンではなく計画です。ビジョンは理想を描くこと。実現できるかどうかは作ってから考えればいいですし、近づくための道筋は社員たちと一歩一歩考えながら進んでいきましょう。自分で達成するのではなく、社員たちと一緒に達成すればいいのです。一度無責任に「こうなったらいいな」という抽象度の高いビジョンを思い描いてみましょう。
例えば、「お客さんを笑顔にしたい」と考えたとします。これをそのまま理念にしてしまいましょう。そこから「どうしたらお客さんを笑顔にできるのか」を徹底的に描いていき、なりたい5年後の会社を考えたものがビジョンになります。
「お客さんを笑顔にしたい」なんて多くの社長が考えているじゃないか、と思いましたか?
確かにその通りです。ですがその当たり前を誰もやっていないほどまでやりきれば、それは普通ではなくなります。
当たり前のことを誰よりもやりきる。そういった肩の力を抜いた考え方でビジョンを描いてみればいいのです。
やるべきこととわかっていても、ビジョンを描くことはなかなか難しく慣れないものです。責任感が強くビジョンを実行しなくてはならないと思い込んでいる経営者の方ほど苦しく感じるものでしょう。
ご自身の能力と社員の皆さまを信じ、抽象度の高いビジョンを無責任に描いてみてください。実現の方法がわからなければ社員みんなで考えていけばいいのです。
ぜひ肩の力を抜いて、自身の自由な理想を一度思い描いてみてはいかがでしょうか。きっと、自身の納得のいくビジョンを描き出すきっかけになりますよ。