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今回のテーマは「やる気のない管理職についてどう思うか?」です。
先日、YouTube視聴者の方がこんなご相談を寄せてくださいました。
「私の会社では、ミドル層の社員が『会社を良くしよう』と情熱を持って頑張っています。ところが、それをまとめる上層部からやる気が感じられないのです。恐らくは、もう静かに過ごしたいと思っているのでしょう。新しい取り組みに対する反応にも『余計なことはするな』という空気がにじんでおり……。
弊社は、風通しのよい社風、立場の上下に関わらず意見を取り入れてくれる社長など、有難い部分も多い会社です。まだまだここで頑張りたいと思う反面、上層部のやる気不足によって若手が動きづらくなっている現状に疑問も感じています。安東さんは、このような状況についてどう思われますか?」
まずは、ご質問ありがとうございます。中間層はやる気に溢れ、上層部はその反対……恐らく若手社員の立場であろうご質問者の方にとっては、なかなか悩ましい状況ですよね。
今回は、このような状況下で会社をより良くしていくための動き方について、私なりの見解をお伝えします。
はじめに、上層部の方々が情熱を失っている背景について考えてみます。
ご質問者の方によると、上層部の社員はみな、バブルを駆け抜けてきた世代の方々だということです。恐らくは、60歳前後の方が多いのでしょう。そうであれば、上層部の方々は「やる気がない」「静かに過ごしたい」というよりも、「引退を前に、徐々にフェードアウトしようとしている」のではないでしょうか。
これから会社の中心的な担い手となっていくのは、今の中間層および若手層の方々です。それを自覚し、自らの引退と世代交代を見据えながら仕事をしているのであれば、上層部にあまり情熱が感じられないのも自然なことといえるかも知れません。
フェードアウトしようとしているにせよ、シンプルに情熱がないにせよ、「上層部の方々に変わってもらう」のはあまり現実的ではありませんよね。ここからは、ご質問者の方の今後について、上層部ではなく中間層の方々に目を向けながら考えてみましょう。
これから会社を発展させていくためには、「中間層の方々をサポートしつつ、社長にバックアップを求める」ことをおすすめします。
具体的には、中間層と若手が連携しつつ、今後も積極的にチャレンジを重ねていく。それと同時に、「中間層と共に会社を盛り上げたい」「新しいことに挑戦したい」意思を、社長に分かってもらえるような働きかけをするということです。
いただいたご相談には、「会社の風通しは良い」「社長は、立場に関わらず意見を聞き入れてくれる」とありました。ここから察するに、恐らくは経営者の方も、中間層がリードし、若手が健やかに育ちながら会社を発展させていく未来を望んでおられるのではないかと思います。また、上層部とミドル・若手のすれ違いについても、密かに悩まれているかも知れません。
しかし、いくら風通しのよい組織とはいえ、経営者が若手に対して「管理職の○○さんはやる気がないから…」などと発言するわけにはいきませんよね。同様に、若手の上層部に対する不満を社長にぶつけても、あまり建設的な結果には繋がらないのではないでしょうか。
そうであれば、やはり「上層部を変えること」よりも「中間層とともに、より良い未来を作っていくこと」に目を向け、協力を求めるスタンスで社長に働きかけるのが得策かと思います。
情熱にあふれた中間層と、臆せずチャレンジできる若手がいる。若手社員も上に意見を伝えられる風通しの良さがあり、社長も分け隔てなく意見を聞き届けてくれる。どれも、会社としてとても素晴らしいことだと思います。
ぜひその環境を活かし、会社をより良く変えていくための働きかけを続けてみてください。そうして会社を発展させ、やがてはご自身が情熱にあふれる中間層・管理職となれるように、たくさんの経験を積んでいただければと思います。