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今回のテーマは「『成果を上げ続ける営業』と『そうでない営業』の違い」です。
社員育成の一環で社員の商談に同席することがあるというクライアントの方より、このようなご相談をいただきました。
「同じお客様を見ているのに、社員と感じるものが違うことが多々あります。例えば社員が“商談が上手くいっている”と思っている時に、私は“これは反応が良くない”と慌てている。この違いは何なのでしょうか」
これは経営者に限らず、育成を担当したことがある人なら誰しも経験があるのではないでしょうか。何故このような感覚の差が生まれてしまうのか、その原因についてお話していきます。
このように感じ方の違いが出てしまうのは、そもそも「何を見ているのか」が違っているためです。
例えば新人の場合は、「自分が上手く喋ることができるかどうか」という部分を重視しがちになります。自分が一生懸命考えた内容で完璧にプレゼンできれば「成功」と思ってしまうのです。
一方、成果を上げ続けているベテラン社員は「相手の感情の推移」を見ています。自分が完璧にプレゼンできたかどうかは問題ではありません。成約に心が傾いたり課題解決に繋がったりなど、顧客の感情が理想的な状態になれば「成功」になります。
つまりなかなか成果が上がらない人は「自分」ばかりを見ていて、成果を上げ続ける人は「相手(顧客)」を見ているというわけです。
見ているものが違う、つまり目的が異なっているのであれば、そもそもゴールが何なのかを明確する必要があります。
上手にプレゼンをすることはゴールではなく、あくまでも手段です。その先にある「顧客の感情が理想的な状態になる」ことこそが本当のゴールになります。そこを明確にするだけでも、社員の意識は大きく変わるでしょう。
教育の場においても見ているものが異なると、教える側と教わる側で衝突が起きてしまいます。そのため「何を見るべきなのか」「達成すべきこととは何なのか」を共有することは、ひとつの成果を生み出すためにも非常に大切なことなのです。
とは言え、顧客の本音や心理を感じ取るのは、ある程度の知識や経験がなければ難しいことです。新人にいきなりそれらを求めるのは酷なことですから、経営者やベテラン社員の知識と経験を理屈に落とし込むことが必要になります。
例えばブレインマークスではショートロープレと言って、営業プロセスを細かく区切った短いロープレを実施しています。そのひとつひとつにこれまで蓄積してきた「顧客の本音」が盛り込まれていて、段階を踏みながら顧客の心理が学べるようになっているのです。
このように経営者やベテラン社員が知っている「顧客の本音」を可視化して理屈として落とし込めば、若手に足りない知識と経験を補うことができるでしょう。
成果を上げ続ける営業は「顧客の感情」を、そうでない営業は「自分の感情」を重視しています。成果を上げられていない社員には、まず「顧客の感情を効果的に理想の状態に導くこと」という目的を明確にしてあげましょう。そしてベテランたちの知識と経験を理屈に落とし込んで共有していけば、きっと結果はついてくるはずです。
そのためにも、まずは貴方自身が知っている「顧客の本音」を書き出してみることから始めてみてはいかがでしょうか。