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今回のテーマは「権限のない仕事を勝手に判断してしまう社員のメカニズム」です。
クライアントの方より、次のようなご相談をいただきました。
「新入社員が先輩社員に質問をした際、その内容は社長の私でしか判断できないことなのに、先輩社員が自分で勝手に判断して進めていたようです。今回はたまたま発覚したからよかったものの、勝手に物事が進んでしまうと思うと正直怖いです」
気がつかないままだったらと思うと、ゾッとしますよね。このように権限を越えて判断してしまうのは何故なのか、その原因を探ってみたいと思います。
社員が権限を越えて判断してしまうのは、当然ながら、権限の範囲について正しく理解できていないためです。
そもそも「権限」とは、自分以外の誰かを自分の意見の通りに従える力(権力)を限定的に行使できる範囲のことです。会社の規模が大きくなると経営者ひとりで全ての権力を行使するのが難しくなるため、自身の権力を社員へ渡していきます。これが権限を委譲するということです。
しかし権限を委譲しても「どこからどこまでの権限を自分がもっているのか」「誰がどこまで権限をもっているのか」が不明瞭だと、今回のご相談のような事態が起きてしまうのです。
この問題を解消するには、全社員の役割と権限を可視化することが大切になります。誰がどのような業務と責任を担っているのかを明確にするのです。
ブレインマークスの場合、会社の全業務を洗い出して、その業務ごとの責任者を組織図に落とし込んでいます。誰に何を確認すればいいのか、組織図を見ればすぐ分かるようにしているのです。
権限を明確にしていたとしても、それを口頭で伝えるだけでは労力がいりますし、間違いの元にもなってしまいます。しかしいつでも確認できる組織図に落とし込んでおけば、新入社員が入ってきた際も安心です。組織図や権限委譲については、過去の動画やブログでも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
社員が自らに権限のない仕事を勝手に判断してしまうのは、権限の範囲を正しく理解できていないためです。このようなことを防ぐためにも、まずは社内の業務を洗い出して、それぞれの業務における責任の所在を明確にしましょう。
そして社員の役割とともに組織図へと落とし込めば、権限を可視化することができます。権限が可視化できれば、社員が勝手に判断をして暴走することもなくなるのではないでしょうか。