書籍『「超」入門 失敗の本質』を、中小企業の組織戦略に活かす方法 | 中小企業の経営コンサルティングならブレインマークス
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2023.07.27

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書籍『「超」入門 失敗の本質』を、中小企業の組織戦略に活かす方法

株式会社ブレインマークス

今回は、書籍『「超」入門 失敗の本質』を、中小企業の組織戦略に活かす方法についてご紹介します。

著者は、ビジネス戦略コンサルタントの鈴木博毅氏。本書では、大東亜戦争(太平洋戦争)における日本軍の組織的な失敗を分析した名著「失敗の本質」の内容を、分かりやすくかみ砕きながら23のポイントに分けて紹介しています。

この記事では、本書の中から私がとりわけ興味深いと感じたポイントを4つピックアップしました。失敗の本質を見極めつつ、そこから得られる学びをビジネスに活かすためのヒントを見ていきましょう。

■戦略の失敗は、戦術では補えない

成功を得るためには、まず戦略が重要です。大局を見渡した戦略を立てていないと、いくら現場で工夫しても勝てないということですね。

先の大戦における、日本の失敗例を見てみましょう。

日々繰り返される戦闘の中で、小さな勝利を多く収めたのは日本だったと言います。しかし、最終的に勝者となったのはアメリカ側でした。

その理由は、アメリカ軍があらかじめ「最終的に勝つためには、どのポイントを押さえるべきか」という戦略をしっかりと立てていたから。日本は戦略づくりが不十分だったために、ここぞという場面で負けを繰り返し、戦争に勝つという大きな目的も達成できなかったのです。

ビジネスの世界でも、同じことが言えます。たとえセールスやプロモーションの技術が優れていても、「どのようなお客様にどんなニーズがあるのか」「そのニーズに対し、どうアプローチするか」という戦略が決まっていなければ、成功を収めることはできないでしょう。

■ゲームのルールを変えたものだけが勝つ

戦略を考えるときには、「ルールを変える」意識も求められます。相手の土俵で戦うことを避け、有利な状況を自ら作り出すような工夫が必要だということですね。

具体例として、太平洋戦争における零戦のエピソードを見てみましょう。

重く小回りのきかないアメリカの戦闘機に対し、日本の零戦は軽量で高性能でした。さらに、パイロットも高度な操縦技術を備えていたため、当初はアメリカ軍を圧倒したといいます。

しかし、アメリカは戦略そのものを変えてきました。「必ず一対多数で戦う」「一度に多くの弾を撃ち、命中率の低さを補う」など、パイロットの技術や機体の性能に依存しない戦法に切り替えたのです。結果どちらが勝利したかは、皆さんもご存知ですね。

このように、ゲームのルール次第では、戦局が一気に覆ることがあります。ビジネスの世界においても同様に、固定観念に囚われない戦略作りが求められるでしょう。

■組織の能力こそが戦略実行力に直結する

優れた戦略も、実行できなければ意味がありません。勝ちを手にするには、戦略を遂行できる強い組織を作ることが不可欠です。

では、強い組織とは具体的にどのようなものを言うのでしょうか。大戦における、日米の組織像の違いを見ながら考えてみましょう。

日本軍は、「上が指令を出し、現場は従う」という一方向型の組織でした。これに対し、アメリカ軍は「上の指令に対し、現場からフィードバックがある」「上と現場が話し合い、最も効果的な方法を探る」という双方向型の組織だったのです。

双方向型の組織運営は、「現場が活性化し、判断力や応用力がつく」というメリットをもたらします。戦時下のように何が起こるか分からない状況の中では、こうした柔軟性が勝利に繋がったのです。

戦争や感染症の脅威に晒される現代は、まさに先の予測が困難なVUCAの時代。ビジネスにおいても、上と現場が互いに尊重し合うような、しなやかな強さを持った組織が勝ち残っていくでしょう。

■「体験的学習」では、勝った理由は分からない

柔軟性のある強い組織を作るためには、人の育成が欠かせません。そこで知っておきたいのが、「体験的な学習では、勝った理由を理解しにくい」ということです。

実体験を通じて得たスキルは、概して「理由は分からないが、こうすると上手くいく」という感覚的なものになりがちです。自分ひとりで活動する場合はそれでよくとも、その技術を人に教えて後進を育てるとなると、教える側も教わる側も苦労することになるでしょう。

自ら道を切り拓いてきた経営者ほど、こうした状況に陥りがちです。「自分はできるのに、社員が一向に育たない」というときは、現状の教育方法が感覚頼りになっていないか、感覚を理論に落とし込んで体系的に指導できているかを振り返ってみるとよいでしょう。

■本日のまとめ

厳しい時代を勝ち残れる会社を作ることは、戦争の中で負けない組織を作ることと非常に似ています。

自社の戦略は何か、ライバルの土俵で戦わないような戦略を作れているか、組織の柔軟性を担保できているか。ぜひ、このような視点で経営を振り返りながら『「超」入門 失敗の本質』 を読んでみてください。

きっと、会社をより強くするためのヒントが見つかるはずですよ。

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