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今回のテーマは「変化を望むなら、30点を狙え!」です。
先日クライアントの方から「人事評価制度を導入したのですが、いざ導入したら社員から“こんなの厳しすぎる”と猛反発を受けてしまいました」というご相談をいただきました。
経営を行なう上で人事評価制度は非常に重要な経営ツールです。ですが社員のために思って導入したのに、社員に拒絶されてしまうケースは非常に多いのです。
今回は反発を受けてしまう理由と新しい仕組みを導入する際の考え方についてお伝えしていきます。
『人事評価制度』を導入する際反発を受けやすい理由は2つあります。
まず1つ目が名前から『人に評価される』制度だと誤解されてしまうケースです。仕事や自分を評価されるようになると社員が誤解してしまい、恐怖から新しい制度を拒んでしまう状態です。
2つ目は経営者が完璧を目指してしまうケースです。経営者は今までなかった制度を導入する際、細部までつくりこんでしまいがちです。しかしそのこだわりは社員目線で考えると「ある日突然“大きな変化”と“厳しい基準”を突き付けられた」と感じられます。
始めからしっかりやっていいものにしたいという経営者の気持ちもよくわかりますが、社員が窮屈に感じてしまうと新しい仕組みの導入は上手くいかなくなってしまいます。
人事評価制度に限らず、新しい仕組みを導入する際はまずは30点からスタートしていきましょう。突然大きな変化を起こすのではなく、変化したかしていないかわからないくらいの状態で、その仕組みに馴染んでもらうことを優先するのです。
人事評価制度の場合、目標を立てるのが好きな社員がいればその方からやり方や面白さを広めていくこともできますし、自然と「この制度のおかげで頑張れる人がいるんだ」と他の社員へ伝えていくこともできます。
最初はハードルを低く設定し、じっくりと馴染ませていきましょう。
始めは30点を目指し、その都度ブラッシュアップやレベルアップすることを心がけましょう。社員に制度が馴染んできたらレベルを少し上げ、そのレベルに馴染んできたらまた少し引き上げ、と長期的に100点を目指すイメージが大切です。
実際ブレインマークスでも100点の人事評価制度にはまだ至っていません。導入した30点のままにすることはなくレベルアップを繰り返し、基準を徐々に上げていく。それが反発を受けて躓かずに運用を継続していく最大の秘訣なのです。
経営者の皆さんがつい始めから100点を目指してしまう気持ちは痛いほどわかります。しかし、まずは30点の緩やかなスタートにした方が新しい仕組みに馴染みやすく、社員の反発も起きにくいのです。そこから少しずつレベルを上げ100点に近づけていければ、躓くことなく経営者の求めるイメージへ到達できます。
新しい仕組みを導入する際はまず、30点を目指し、じっくりと馴染ませて社員に変化を受け入れやすくしてあげましょう。